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質問事項1 不作付け農地の現状と対応について

 猛暑が過ぎ、セミの声が秋の虫の声に変わり始めると、農都丹波篠山は収穫の秋を迎えます。

味が自慢のコシヒカリは、稲穂を黄金色に色づかせ、作付け農家に感謝するかのように、穂先を大きく垂れてくれます。特産の丹波黒大豆は、大きく嵩を増しかわいく美しい花を多く咲かせ、豊作を予感させてくれています。農業者にとっては、忙しい中においても使命感と満足感が得られ、流した汗が報われる最も嬉しき季節であります。

 しかしながら、よく手入れされた農地から見渡すと、不作付け農地が散見されます。以前は谷間や山裾等の未整備田が中心でありましが、整備された農振地でも不作付け農地が見受けられるようになりました。中には長年草刈りがされておらず、身の丈ほどの草におおわれた農地も存在します。

 農都篠山は、肥沃な農地と自然の恵みにより、良質な農産物が育まれると共に、山や河と田園が豊かな景観と農村文化を育んで来ました。先人は、生きていくため田を耕し、種をまき、収穫する作業を営み、今日まで継続して来ましたが、今、各種アンケート等を見てみると、農業は生きていくために必要なく、農地との関わりを絶ちたい、また農地と関われない農業者が増えてきたことは事実です。

 長年続いてきた転作制度のもと、作物を植え付けしない調整水田や保全管理といった農地の不作付け活用法も生まれ定着しました。また、放置され草が繁茂するに任せた不作付け農地、さらに進みカヤや木が繁茂する不作付け荒廃農地が多く存在しています。

農都篠山市には3,466ヘクタールの農業振興地域があり、他に営農に向かない農振除外地農地も多くあります。平成29年度において篠山市内における各項目別の不作付け農地は、どの程度存在するのかお示し願います。また現状は把握できているのでしょうか。

 米の生産数量目標の配分が廃止される、平成30年度以降における篠山市の農政の方向として、現在の特産物の作付面積を確保しながら、「不作付け農地を利用してお米を増産すべし」と、市長は提案されていますが、具体的な実行策や水稲作付け引き受け者、そして生産経費の補償検討等はされておられるのでしょうか。

認定農業者が増え農地の流動化も進んでいますが、所有者に流動化の意思や作付けする意思が無い場合もあります。そして所有者の突然の病や死亡により、意思表示されずに放置される場合もあります。不採算農地を中心として増えるであろう放置農地の対応について、今後何らかの取り決めが必要と考えます。意思表示されない限り、第3者である個人や集落営農組合等は関わることが出来ません。農業委員会の指導や命令がありますが、継続性を持たせるならば、空き家等の適正管理及び有効活用に関する条例的な、農地版制度制定を提案し市長のお考えをお伺い致します。

 

 

 

質問事項2 舞鶴若狭自動車道高架下の安全確保について

 

篠山市内には、南北に舞鶴若狭自動車道が走り、多くの高架が設置されています。高架の多くは、農道や里道のつながりを確保するものでありますが、市道や県道、国道も高架下となっているところがあります。その中には自治会内の生活道路であり、小中高生の通学道路の場合もあります。道路の構造上、延長の長い高架もあり、冬期は早い時間から薄暗くなります。また幅員が広く駐車に余裕があるところでは、見知らぬ車の休息所となると共に絶好のゴミ捨て場となることもあります。

市内には、通学路等としての安全確保対策が必要と思われる高架下が何ヶ所かありますが、一部を除き照明や防犯灯は全く無く、ましてや防犯カメラの設置もありません。なぜなら、一般道と違い高架下に防犯灯や防犯カメラを設置しようとするならば、高速道路の敷地及び構造物を利用しなくてはなりません。自治会では手順がわからず、また無理であろうと考えられ、今日まで設置が見送られて来ました。

全国では、子どもの登下校を狙った残忍な犯行はあとを絶たず、篠山市内においても、子ども達の登下校時に不審者の出没が確認されています。また女性を狙っての痴漢行為も続発しているのが現実であります。高架下は薄暗く人目につきにくい、また付近に民家がなく、まさに犯罪行為におよぶにはうってつけの場所であり、地域自治会や保護者の皆様の心配は尽きず、地域住民そしてわが子の高架下での安全を願われています。

安心・安全のまち丹波篠山、子ども達の通学路を中心に高速道路の高架下の安全性を確認し、必要と思われるところには防犯灯や防犯カメラの設置を提案し、市長にお伺い致します。

 

 

質問事項3 主要地方道篠山山南線 黒田地区内道路整備について

 この夏、主要地方道篠山山南線の川代2号・3号トンネルの掘削工事が着手されました。これにより、狭小であった川代道路部分の全線改良に目途がついたところであります。主要地方道篠山山南線の次なる大きな課題は、黒田地区内の狭小箇所の整備であります。

 皆様もご存知のとおり、黒田地区内の篠山山南線は、約500メートルにわたり普通車がすれ違うことも困難な幅員しかなく、4トン車以上が進入禁止とされております。それにより一部大型車は集落内生活道路を利用し、西紀南小学校横市道を平然と通行しています。

 このような状況の中、川代トンネルが開通すれば篠山山南線を利用して、今以上に大型車が黒田交差点まで来ることが想定されます。その車両をどのようにして目的地方面に誘導するのか、道路管理者の県には大きな責任があり、その対応として黒田地区での早期事業採択を、常に関係機関に求めて来ました。

 兵庫県丹波県民局の丹波地域社会基盤整備プログラム(平成2635年度)には、事業調整箇所としての認定をいただきました。また過日、小西県議会議員に同行いただいた地元自治会役員による県民局長への要望時においても、出来るだけ早く黒田自治会との調整に入りたい、との回答をいただいたところであります。

 篠山山南線黒田地区内の狭小箇所の整備は、黒田自治会にとっても大きな問題であり、ルート選定を含め30年近く浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返しました。県に翻弄されたとの苦言もあり、その結果、黒田自治会内での合意形成には、大きな努力が必要と思われます。今回こそ白紙化は許されません。そして県の財政状況や政策決定プロセスから考えると、今回こそラストチャンスであると考え、篠山市当局の積極的な支援を願うところであります。

 道路は県道であり、事業主体は当然、県でありますが、主要地方道との位置付けが示すとおり篠山市の重要な幹線であり、車いすマラソンやABCマラソンの走路でもあります。

黒田地区内の篠山山南線道路整備に関し、篠山市として地元合意に向け積極的に参画いただくと共に、安全性の確保、地域の整備や開発、そして市道との関連にしっかりと努めるべきと考えますが、市長のお考えをお伺い致します。