平成27年6月定例会 会派代表質問
青藍会 森 本 富 夫
議席番号16番、森本でございます。
議長のお許しを得まして会派青藍会を代表し、通告に基づき市長の市政執行方針を中心に、市長にお伺いするとともに、ご提案申し上げます。
1問目は「世界のみなさん、こんにちは」について、であります。
少し前までは、色々な場面における市長の合言葉(スローガン)は、「篠山の時代をつくる」であったが、今は「世界のみなさん、こんにちは」であります。
ほとんどの場所で「世界のみなさん、こんにちは」とあいさつをされます。受け止め方は暖かい時もありますが、時には冷たく、失笑される時もあります。そのことはご本人が肌で感じておられると思います。
それでも「世界のみなさん、こんにちは」と、語り続ける市長の信念に敬服いたします。ある意味、その市長の信念が、文化庁の日本遺産認定を見事に呼び込みました。そしてユネスコ創造都市としての認定を、得るかも知れません。
市政執行方針でも若干述べられておりますが、市職員・市議会議員、そして市民の皆様が、篠山の未来像に対し、思いを1つにできるよう、あらためて「世界のみなさん、こんにちは」が意図する意味、考え、目的、めざす成果についてお伺い致します。
続きまして質問事項2「定住促進」について、であります。
しかし、市内に500件近くある空き家の掘り起こしが進まず、空き家登録や情報の収集が少なく、古民家・空き家を活用した篠山での“田舎暮らしや農ある暮らし”への、定住促進は思うように図れていないとの説明であり、私も常にそのように感じております。
27年度は、「増員する定住アドバイザーの空き家情報の集積を待っているのではなく、地域に出向き、県、そして新たに設ける市の助成制度の周知などを行なう中で、空き家の提供、活用につなげていきます。」とあり、頼もしく多いに期待するところであります。
下水も接続され、充分に住める状態である空き家においても、市内各地域において確実に増えており、それに伴い色々な問題が発生しております。空き家を提供いただくには、多くの問題があります。その問題点の1つ1つを解決し、条件整備ができるのは、行政主導しかありません。
日本遺産に指定された“誇るべきまち篠山”の、古民家・空き家に移住し、“田舎くらしや農あるくらし”をしたいとの多くの希望があるのです。人口増につながる定住促進の多くのチャンスを捉えるべく真剣なる取り組みを、年間目標数値を掲げての取り組みが必要であると考えますが、市長のお考えをお伺い致します。
篠山の空き家を活用し、農ある暮らしを実現しようとする時、必ず問題となるのが農地であります。市周辺部の農村地域の古民家の多くには、住宅周辺の小さな農地が付いており、その農地取得にも農地法による規制がかかります。農振地でなくても、現状が農地でなくても厳しい規制がかかります。
先日、篠山市議会少子化・定住促進特別委員会の中間報告書においても、農地取得、転用の条件を緩和する特区設定を求めております。農ある暮らし実現につながる小規模農地の規制緩和について、市長のお考えをお伺い致します。
近年の米価下落、特に昨年の大幅下落により、篠山市内はもとより全国の水稲栽培農家は深刻な窮地に立たされています。先行きが見えず今後想定される米価では、水稲栽培により収益を上げることは無理であると考えられます。
その様な中、篠山市当局は篠山産米の消費拡大を目指し、お米券の取り組み、また職員プロジェクトによる調査研究と、積極的に取り組みいただく事に、水稲栽培農家の一員として心からの感謝を申し上げます。
今、各集落等において「人・農地プラン」に対しての取り組みが始まり、農業を守るため、農地を守るため、担い手としての集落営農組織づくりが求められています。
しかし、水稲に変わり収益を生み出す特産物振興がなければ、集落営農組織が確立されたとしても継続的な労務費を生み出すことはできません。労務費が出せないことは、篠山の農業維持、農地維持、農村維持が出来ないことにつながります。新たな特産物を振興させることは、多くの時間と経費がかかるわりには定着しないことが多くあり、私も農協職員時代に多くの作物を見てきました。
ならば、篠山が得意とする枝豆の時期を延ばすことを提案いたします。全国に誇る丹波篠山黒大豆、その黒枝豆は今や全国ブランドです。黒枝豆の生産者は非常に熱心で、家族ぐるみで生産・出荷に取り組んでおられます。しかし出荷期間は短く15日から20日程度と限られております。
10月の黒枝豆のブランドをしっかりと守りながら、そしてそのブランドを上手く活かしながら、9月上旬からの早生黒枝豆、中手黒枝豆の栽培振興、販売に取り組むべきと考えます。京都市場におけるムラサキ頭巾は中手枝豆、関東で大人気の山形県の駄々茶豆においては、早生から晩生までの品種を利用した2ヶ月にも及ぶ枝豆です。
丹波黒(本黒)枝豆の解禁日を設定し、そして販売の認証を行っており、表示をしっかりと行うことで、悪意がなければ混乱は起きないと考えます。
枝豆出荷者は熟練農業者というべき存在であり、長期間無理なく出荷ができるようになれば、安定した大きな所得増につながります。そして集落営農組織においては雇用が生まれ、作付け作物の選択肢が広がります。
何年か前ですが、その目的に合わし、兵庫県が品種改良し育成してきた「茶っころ姫」「黒っこ姫」もあります。丹波黒と駄々茶豆の、よいところを兼ね持った美味しい品種です。
普及に対し、関係機関が難色を示した経緯もありますが、水稲栽培による赤字をカバーし、農業所得向上に向け再考すべきと考えますが、市長のお考えをお伺い致します。
続きまして質問事項4「ふるさとの森づくり・森林バイオマス」について、であります。
篠山市における山林が占める面積は約75%であり、その山林は貴重な地域資源であり、低炭素社会を築く再生可能なバイオマスエネルギー源であるべきと考えます。しかるに生活様式の変化に伴う利用の激減、林業の衰退により、地域住民にとっても今やほとんど関心がなくなり、財産の象徴であった山林は、今や「負の遺産」の象徴となりつつあります。
篠山市ふるさとの森づくり条例、篠山市ふるさとの森づくり構想が施行されるにあたり、全国に先がけ健全な森づくりに取り組めることを、大きな誇りに感じたところであります。
篠山市森林組合が参画するチップ製造工場が丹波地域にでき、これで平成26年度から取り組みを始めた、100%間伐事業から出る間伐材も、利用の目途がついたと喜んだものでありますが、実際に搬出されているのは2割程度と聞き、残念に思うと共に、全量を有効活用できる方策がないかを検討する必要があると考えます。
市政執行方針には「人工林の多くが、森林として利用価値の乏しいものである」と明記されていますが、利用価値が乏しくなったのは、国始め行政の林業施策が乏しく、篠山産材利用の出口がなかったことが原因であります。林業施策に従い、山に杉・桧を植え続けた先人にとって、夢にも思わなかった現実が今ここにあります。
しかし最近、里山整備から出た雑木や杉・桧の間伐材の篠山産材を、積極的に利活用されている個人や、民間の団体の皆様をみるとき、行政当局においても、里地・里山からの地域創生、そして循環型エネルギーである木質バイオマスを通して、将来の地域形成を考える必要があるのではないでしょうか。
こんだ薬師温泉ぬくもりの郷に木質ボイラーを設置するとの計画を聞いたとき、当然、丹波地域で生産された篠山産材の木質チップを利用するものと思いましたが、ペレットボイラーを設置し、木質ペレットを利用することとなり、当面の供給不足分のペレットは、岡山県真庭市から購入するとのことを聞き驚きました。
ペレットボイラーの導入については、国(環境庁)・県の補助基準や指導によるとのことであり、理解せざるを得ませんが、1日も早い篠山産材による木質ペレットの全量安定供給を求めるものであります。それにより、篠山産材が有効活用され、林業の活力が戻り、そして雇用が生まれます。最初の大きな1歩は行政が踏み出さねばなりません。具体策の提示を求め、市長のお考えをお伺い致します。
続きまして質問事項5「災害時要援護者個別避難支援」について、であります。
平成25年度から取り組んでいる、災害時要援護者個別避難支援計画・ささやま見守り台帳が未だ未整備であります。当初は担当部署の熱心さが伝わってきましたが、該当者の登録などの整備が進んでいるとの報告はありません。
いろいろな手法を用いて登録を終え、個別避難支援計画を確立されておられる先進他市もあるのです。
日本全国異常気象が多発し、多くの自然災害が発生しております。篠山市においても例外ではなく、避けることは出来ないのです。過疎高齢化が進む地域では、避難支援を必要とされる高齢者が多くおられます。
住み慣れた地域でお住まいいただいております高齢者をはじめ、災害時要援護者を、地域が、行政がどのように救うか、誰を誰が、どこに避難誘導するかをきっちりと確立しておく必要があると考え、早期整備を求めます。
また災害時、要援護者の避難場所の確保は重要な問題であり、あらかじめ想定しておく必要があり、また避難場所における要援護者の介護についても、想定しておくべきと考えます。それには、施設と人材をお持ちの市内介護事業所との連携協力は欠かせないと考えます。災害時要援護者の避難体制の確立に向け、社会貢献の大きな取り組みとし、市内介護事業所との災害時支援協定書締結を提案し、市長のお考えをお伺い致します。
続きまして質問事項6「まち・ひと・しごと創生総合戦略」について、であります。
篠山市まち・ひと・しごと創生総合戦略とは、平成27年度を初年度とし、5ヶ年の総合戦略を策定するものであり、10月を目途に策定を進める必要があり、その内容・評価により、国からの地方創生交付金が大きく変わると言われております。
人口の大都市、特に東京への一極集中、そして産業雇用の大都市集中、その結果、地方の過疎の進行と疲弊が進んでいます。国は過去色々な施策を打ち出しましたが、改善には至らず今日の状況を向かえております。
今回のまち・ひと・しごと創生総合戦略は、今までのように一律に国に頼り、制度に従うのではなく、地域の持つ独自資源を生かしながら、地方独自での努力とアイデアで「しごと」をつくりだし、雇用を生み出し、人口減少に歯止めをかけるものであります。地方自治体にとって、生き残りの最後のチャンスとも位置付けられています。
篠山市「日本遺産」認定にうかれることなく、地に足を着け、日本遺産認定を地方創生戦略にリンクさせ、反映させながらの、篠山市100年の目標としての総合戦略を期待いたします。
先日の議員全員協議会でもご説明いただきましたが、篠山市創生総合戦略について、現在の進捗状況と今後の展開、そして戦略の目指す篠山像について、市長のお考えをお伺い致します。
以上、この場での質問を終わります。