平成26年9月議会 一般質問
森 本 富 夫
議席番号?番、森本でございます。
議長のお許しを得まして、通告に基づき市長・教育長にお伺いするとともに、ご提案申し上げます。
1問目は、「篠山市における平和教育の現状と、教育委員会の指針について」であります。
この夏、西紀北地区在住で米寿を迎えられた方より、自費出版された一冊の冊子をいただきました。冒頭に「健康で米寿迎えた幸せに、森羅万象感謝捧げる」とあり、内容は、一日一句の綴りと、過日神戸新聞社に13回にわたり連載された「シリーズ戦争と人間、兄弟のダモイ」記事の掲載でありました。
ダモイとは、ロシア語で「帰国・帰還」のことであり、戦後70年を経過した今日でも、戦前、戦中、戦後の厳しい中、特に軍隊生活、そして終戦後のソ連抑留生活の5年間は、悪夢と化して未だ忘れた日はなく、「人間が引き起こす戦争が、如何に悲惨で無残な出来事かを訴え、戦争体験者が年々この世を去っていく、その前に今一度書き留めておきたい」とあり、私たち兄弟の苦しく空しい青春期の思い出。と締めくくってありました。
新聞での連載を読んではいましたが、改めて何度も読み返してみるとき、戦争体験者、戦争被災者の子供の世代である私たちをはじめ、戦後70年、戦争を知らない多くの大人たちの責任と義務、そして“安らかに眠って下さい、過ちは繰り返しませぬから”との誓いを、これからもいつまでも守り続けるため、学校教育現場での平和教育の必要性を、痛切に感じたところであります。
改めて、平成26年度教育方針を読み返しましたが、平和教育については一言もふれてありません。残念です。
平和教育は、紛争解決の手段として武力を使わず、平和な状態を維持するために、どのような努力をすればよいかを学ぶものであり、お互いの立場、能力、環境の違いをどのように理解しあうかを身につけるものと考えます。
平和教育は、差別やいじめ、同和問題や国際理解の推進等、人権学習としても大きな意味を持ち、教育目標の一つであるべきです。
中学三年生の沖縄への修学旅行においては、ひめゆりの塔へ行き、沖縄戦での悲惨な出来事にふれてくれていることは聞いています。それだけで終わっているのではないでしょうか。
日本における戦争体験者の高齢化が進んでいますが、今ならまだ間に合います。特定の政治的立場を植え付けたり、日本が全て悪かったとの教え込みではなく、戦争に至った国際事情や国内状況、そして生活実態も含め、体験者から学ぶべきと考えます。
篠山市の教育現場での平和教育の現状と、教育委員会の考え方、指針について教育長にお伺い致します。
続きまして質問事項2 「国・県・市、管理の道路法面の雑草管理の考え方について」を、市長にお伺い致します。
80歳過ぎの、まじめで熱心な農業者から相談を受けたことを質問致します。60歳までは兼業農家として、勤めの定年後は元気な農業者として、水稲を始め果樹栽培にも取り組まれてこられた後継者のない農業者です。
その方の農地は、一方を国道に接し3mを超す法面があり、他の一方は国道を始点とする市道と接しており、3mから下る法面があります。私たち農業者が言う田頭です。
土地改良後約40年、その法面を年3回程度積極的に草を刈り景観を維持してきたが、この春の作業中に滑り落ち、草刈り作業の限界を感じた。どうしたらいいのか、シルバーさんに頼んでも草刈をすべきものか、との相談でありました。
国道及び県道は、交通安全対策として法肩から1m年1回草刈り作業が行なわれますが、それ以上は放置、市道においては植栽の管理は行なわれますが、公による法面の草刈り作業は行われていないと認識しています。
市内多くの道路法面は、農業者の善意により草が刈り払われ、景観が守られてきたのです。
しかしながら今、善意の農業者の高齢化が進むと共に後継者がなく、田頭の公道法面の管理が重荷となり、放置されつつあります。更に農地集積が進むことにより、義務感がなくなり放置が進ことは明らかです。
道路を走りながら気をつけて見てください。きれいに刈られた法面の隣に、背丈以上にセイタカアワダチソウやススキなどの雑草が繁茂している法面が、多く見受けられるようになりました。農業施設(農地・農道・用排水路敷)なら、多面的機能支払交付金を活用しての、共同作業や外部発注も考えられますが、公道敷地は対象にならず自治会での維持は無理ではと考えます。また、多くある公道法面の、草刈り共同作業に耐えうる人材が、地域にいなくなりつつあります。
ユネスコに登録しようとする創造農村篠山、世界に誇る美しき景観の篠山、その美しき篠山の道路敷が、雑草で埋まり飲み込まれる事を、そしてそのことに違和感を感じなくなる事を危惧いたします。
国・県・市、道路法面の雑草管理についてのシステム作りについて、真剣に考える必要性を提起し、市長のお考えをお伺い致します。
続きまして質問事項3 「小規模家畜飼育の糞尿処理指導について」を、市長にお伺い致します。
本年7月14日、黒豆の館にて開催されたふるさと一番会議において、近所でイノシシを飼育している家があるが、糞尿の処理がされていないので、日常的に悪臭に悩まされている。
また雨が降った時には、糞尿を含む汚泥が流れ出て、沢を流れる水を汚染している。市や県の環境・衛生担当部署に相談しても、取り締まる法律や条例がなく、お願いするしかない。との回答のみで、なんら改善される目処がない。何とかならないものか、との切実な訴えがありました。
この問題は、最近に始まったのではなく、私も過去何回か要望を聞き、市・県の担当部署に対応をお願いしましたが、対応に苦慮されているのが現状であります。
確かに、家畜排せつ物法の管理基準の適用除外として、豚の場合は100頭未満とされています。しかし、11畜A第2607号、農林水産省畜産局長から各都道府県知事あての通知では、管理基準の適用を受けない小規模な者にあっても、その家畜排せつ物について、適正な管理が行われるべきことの重要性は同じであることにかんがみ、適正な管理がなされるよう必要に応じ指導されたい。とあります。
臭いが入るので、何年も自宅の窓を開けたことがない。臭いが移るので、洗濯物を外に干せない。きれいであった沢の水が全く使えなくなった。等、付近住民は生活を脅かされておられ、今回の訴えとなったものです。
市長は、地域の住民同士で解決できませんか。と問いかけられましたが、地域で解決できず今日まで来ているのです。
ペット等の多頭飼育でも、似たような事例を聞きます。指導する条例がないのなら、新たに条例を制定し指導すべきです。明らかに、近隣住民に迷惑をかけているのです。今回の飼育現場を見れば唖然とします。
市長は、担当部署から報告を受けていない。現状を把握して、今後どのように対応するかを報告します。と答えられました。現状を把握いただきましたでしょうか、そしてどのように対応し、解決されようとするのか。
市長のお考えをお伺い致します。