平成26年3月定例議会 一般質問

 

議席番号2番、森本でございます。

議長のお許しを得まして、通告に基づき市長・教育長にお伺いするとともに、ご提案申し上げます。

 

 1問目は「原子力に変わる新エネルギー確保への、積極的取り組み」についてであります。

311日東日本大震災発生から3年を迎えました。死者・行方不明者が18,000人を超えた未曾有の災害であり、約267,000人もの皆様が、今も避難生活を強いられておられます。避難されておられる皆様の生活が、1日でも速く安定するよう願うものであります。

帰りたくても帰れない。ふるさとを追われ、ふるさとを奪った東京電力福島第1原発事故の収束は、今だ見えないままであります。

 民主党政権で「脱原発」に揺れた原子力政策は、原発利用に前向きな安部政権下で揺り戻しが進むとされるが、福島第1原発事故後の原発に対する厳しい世論を背景に、規制基準の厳格化や電力自由化も進み、原発を後押ししてきた「国策民営」の構図は揺らぎつつあり、拡大から脱原発、再び維持へとが、国の原子力政策であります。

 日本国内には、55基・出力4,958kwの原子力発電所を有しており、電力消費量の約23%を原子力が担っていました。事故後、定期検査等で全基運転を中止していましたが、夏の電力ピーク時の電力不足に対応するため、特に原子力発電に約48%を依存していた関西電力管内において、大飯原子力発電所34号機が一時再稼動しました。

そして先日の新聞には、九州電力川内(せんだい)原子力発電所12号機が、原子力規制委員会の審査に合格し、新規制基準に基づく再稼働第1号となる公算があり、電力需要が高まる夏までに運転する可能性があると報道されました。

福島第一原子力発電所に見るように、原子力発電所はひとたび事故が発生すると、終息には多くの時間を要し、また原子炉の廃炉に至っては、何十年もの年月と安全確認、そして膨大な費用が必要とされています。今回の事故発生後、各原子力発電所の危険性そして必要性について、国民は大きな関心を持つようになり、福島第一原子力発電所の事故は決して風化するものではありません。

その様な状況のなか、大規模な惨事をもたらした福島第1原子力発電所事故後、酒井市長は常に脱原発を声高に主張され続けてこられました。

原発事故後の平成23630日には、宝塚・尼崎の両市長と共に、関西電力に「脱原発」への段階的なエネルギー政策の転換を求める要請を始め、大飯原子力発電所34号機の再稼働を巡り、平成2461日には「極めて慎重な再稼働の判断」を求め、当時の野田首相ら関係4閣僚に要望書を送付されております。

最近では、2月に行われた東京都知事選を前にした市長日記では、「細川・小泉氏の即脱原発に共感します」とし、今までどおり原発を推進しようとする、今の国の態度がどうしても納得できない。と全世界に向け発信されております。

確かに今を生きる私達が、自分達の生活向上のため10万年もの未来まで、子々孫々と負担を残すことは正しくないと考えます。

 脱原発を、世界に大きく発信されている篠山市長であるのなら、その手法また原発に頼らない新エネルギーの確保に関しても、全国をリードしモデルとなるべき政策を示すべきと考えます。

市政執行方針では、設置している策定委員会の「篠山市新エネルギービジョン」の検討結果を尊重しながら、エネルギービジョンを策定し、具体的な行動に移します。とあるが、脱原発をリードされる酒井市長においては、どこまで先進的取り組みを考えられているのか、お伺い致します。

 篠山市では、風力発電、太陽光発電、中小規模水力発電、そして木質チップ等を利用したバイオマス発電、等への取り組みが考えられます。全国では、国の補助を受けながら、驚くような先進的取り組みが数多く行われております。

 電力を作り出せないのなら、「エコ」使わない手法もあります。階段を上るのはきついけれど、何だか体が軽くなった。

夜の街は暗くなったけど、星がとてもきれいに見えた。エアコンを弱めにしたら、日本の夏が少し好きになった。

しんどいこともあるかもしれませんが、酒井市長を先頭に市民あげて省エネに取り組み、楽しんではどうでしょうか。

 脱原発を目指す篠山市、数値目標を設定しながら、新エネルギーの確保や省エネルギー推進に、市長の積極的施策が必要と考え、市長のお考えをお伺い致します。

 

 

 

 

 続きまして質問事項2 「給食センターでの地元野菜活用率の向上を」について、教育長にお伺い致します。

 

給食センターにおける地元野菜の活用率の向上は、以前からの課題でもあり、毎年の教育方針に明記されております。平成26年度の教育方針においては、「学校給食献立では、主食の米及び米粉パンでの、篠山産コシヒカリ100%使用及び地元野菜の活用率の向上を進めます。」とあります。

今日まで、地元野菜の活用率の向上に努められた給食センター所長並びに栄養教諭・学校栄養職員の皆様のご努力により、地元野菜活用率は年々増えてはおりますが、多くを供給するところまでは至っておりません。

食べることは、私達が生きていくためには欠かせないものであり、健康な身体は健全な食生活から生まれるものであると考えます。そのためには、農都篠山で育つ子どもたちに、農都篠山で栽培された安全で安心な野菜を、地産地消、今以上に提供すべきだと考えます。

「地産地消」とは、地域で生産された物をその地域で消費することであり、農業においては、消費者に地域の農産物を購入・食する機会を提供し、農業者と消費者をつなぐことにより、地域農業を活性化するとともに、輸送距離の削減による二酸化炭素排出の削減につながるとともに、消費者にとっては「作り手の顔」が見える安心があります。

1次篠山市食育推進計画において、学校給食における地元野菜の使用品目を7品目から21品目に増やし、第2次計画においては、更に増やすとあります。

うれしい事です。篠山の子供達が、私たち篠山の農業者が育てた農産物を美味しいと言ってくれる機会が増えます。

さらに出来ることなら、地元野菜活用率の増加目標を持って取組んでいただきたいと考えます。

そのことにより、ふるさと篠山が大好きになり、ふるさと篠山を一生大切にしてくれることにつながる、と確信するものであります。

しかしながら、農都篠山で育つ子どもたちに、農都篠山で育んだ安全で安心な野菜を、今以上に提供するには限界があると感じています。西部給食センターに野菜を納品している西紀農業クラブにおいても、新規出荷者の確保や規格の統一また後継者の確保が問題となりつつあります。

地元野菜活用率増加に真剣に取組むには、何らかの仕組みづくりが必要と考えます。価格安定による所得の保障、年間必要野菜の明示と全量買入れを伴う栽培奨励、また出荷者の組織づくりや応援体制、等の積極的施策が必要ではないでしょうか。

 国の農業施策が大きく変わろうとする今、農業を続ける後継者や新たに就農を目指す仲間、地産地消の農産物づくりを目指す熱心な農業者育成支援の一環としても、学校給食における地元野菜の活用率向上を期待し、お考えや取り組み等について、教育長にお伺い致します。

 

 

 

 

 

続きまして質問事項3 「自然災害の被災者支援への独自制度制定を」について、市長にお伺い致します。

 

昨年の9月に発生した豪雨災害は、篠山市に大きな被害を及ぼしました。多くの河川や道路、そして農業用施設等の復旧に対しての、担当部署の不眠不休のお取組みに敬意と感謝を申し上げます。

大きな被害として、坂本地区・辻地区における山腹崩壊により、個人家屋2軒が居住不能となってしまいました。住みなれ思い出が1杯のわが家が土砂で埋まるとともに、更なる崩壊の危険性も指摘され、仮住まいを強いられておられます。

 本来このような場合には、内閣府が所管する被災者生活再建支援制度により、最大300万円の支援金が支給され、被災者の生活再建が応援されます。

 突然の災害により自宅が全壊するという、絶望的な状況の被災者にとって、国からまとまったお金を支援いただく制度がある、というのは、非常にうれしいものです。

この制度は、阪神・淡路大震災をきっかけに制定された被災者生活再建支援法によるものであり、この法律制定にあたっては、県議在職中の酒井市長が全国に呼びかけられた結果、創設されたものと聞き及びます。創設努力に敬意を表します。

しかし今回この支援法の適用がされず、支援金の支払いがされないと聞きます。全国の事例を見てみますと、この支援法の不備の指摘も多くあり、最近も全国知事会から改善の要望が、国に出されたとの報道もありました。

対象とならない被災者支援のため、都道府県における独自の被災者生活再建支援制度や、地方自治体においても独自の支援制度を創設し、被災者生活再建支援に積極的に取組んでおられます。

近畿では、滋賀県が昨年の10月に「平成25年台風18号滋賀県被災者生活再建支援金」制度を定め、生活基盤に著しい被害を受けながら、被災者生活再建支援法による被災者生活再建支援金の支給対象とならない被災者に対し、支援金の交付を始めました。

居住不能になられた2軒、多少条件が違うかも知れませんが、篠山市からは全壊の罹災証明が出されており、国の制度の条件、人口5万人未満の市町村においては、自然災害により2世帯以上の住宅全壊被害が発生した場合、に該当するものであります。

どのような理由で国からの支援金支払いができないのか、最終的理解ができてはいませんが、国民・市民の安全・安心を守ること、そして被災者の生活再建への支援は、国や自治体の必須の努力と責任であると考えます。

正当な理由により、国からの支援が受けられないと確定した場合、今回の2軒の全壊被災者を対象として、篠山市独自の生活再建支援に取組んでいただきたいと考えます。

それでこそ「住みよいところは篠山市」です。

 市民を守り、被災者の生活再建を支援する独自制度制定を提案し、市長のお考えをお伺い致します。