平成26年12月定例議会 一般質問

                     

  森本 富夫

 

 議席番号16番、森本でございます。
議長のお許しを得まして、通告に基づき市長・教育長にお伺いするとともに、ご提案申し上げます。

 

 

1問目は、「篠山市民に篠山産のお米を食べてもらう運動の展開を」であります。

 

日本国民1人・1年当たりのお米の消費量は、食生活の外部化や多様化等を背景に、昭和37年のピーク時118kgから一貫して減少し、平成24年度においては56kgと半減しました。
それに伴い、食管制度による政府全量買入制度の下で、膨大な過剰在庫が発生するようになり、昭和46年度からお米の生産調整(減反)が本格的に開始されました。それ以後、生産調整に係る施策はいく度かの変遷を経て来たが、一時期を除き、根本的な米余りは解消されなかった上に、追討ちをかけるように国際協調の一環として、お米の輸入が行われるようになってしまいました。
私たち農家は、いつの日か自由にお米が作付けできる日を願い、夢見て、生産調整に協力して来たのです。本年平成26年産米の生産数量目標に基づく転作割合は44.3%であり、水田の半分近くに水稲を作付けしてはいけなかったのです。
消費量の減少と米あまりに比例して、30kg1袋、10,000円以上していたお米の販売価格は、一時期を除き下落を続け平成26年産においての農協仮渡金は、1等米30kg1袋、6,150円まで下がると共に、さらに今年は青死米が多く、1等比率が44.5%しかなく、多くのお米が5,000円台となってしまいました。五穀豊穣、収穫に感謝する秋祭りの太鼓の音が響く実りの秋は、一転嘆きの秋となってしまいました。
今年の米価はまさに絶望的な価格であり、農協に対する不満を多く聴くところでありますが、他府県産米の価格と比較すると上位であります。篠山米の引合いの強さを感じるところであり、単位農協では限界がありますが、販売の多様化と生産コストの低減に、更なる努力と創意工夫を求めるものであります。
今後の米価を推察してみると、平成30年度の減反政策の終了、そしてTPPの内容報道等を考えると、なお一層の下落が予想されます。水稲栽培は今年の価格でさえ赤字であり、水稲を作り続ける再生産可能な米価でなくなったのです。さらに平成27年産より私たち一般の農業者は、「米・畑作物の収入減少影響緩和対策」の対象者でなくなり、米価下落の影響を直接受けることになります。
水稲生産コストが下がらないなか、私たち農家にとって、米価が下がっていいことはなにもありません。水稲は農村を支える根幹であり、ただの産業ではなく農村が崩壊しまうのです。地域コミュニティーや農道・用水路等も維持できなくなり、道路等の公共用地の雑草は放置のままとなるでしょう。篠山が誇る農村景観は、いったい誰が守るのでしょうか。
高齢化が進むなか、私は地域の中心的な担い手として、集落の「人・農地プラン」を作成し、集落営農組合にて地域の農地を引き受ける覚悟でおりますが、現在の米価では採算が合わず、規模拡大は難しいと考えています。
篠山には、黒大豆や山の芋を中心に多くの特産があります。水稲で採算が合わないと言うと、現場を知らない人からは黒大豆や山の芋を作ればいいのでは、と言われます。全ての農地で黒大豆や山の芋を栽培することは、労働力配分や連作障害の関係で出来るものではありません。
やはり篠山の農業の中心は水稲であります。水稲を自分の手で栽培し、篠山の農業を守り、篠山の農地を守り、篠山の景観を守り、篠山の農村集落を守り続けたいと、全ての農家が思っています。
しかし、生産原価を大幅に割込むお米の販売価格に直面した今、多くの農家が水稲の生産意欲をなくしてしまいつつあります。水稲がなくなれば、黒大豆や山の芋もなくなるのです。自分で農作業が出来る農家の方は、大型農家に田畑を預けることに抵抗があるのは事実です。ましてや農業参入を目指す企業に預けることなど、まったく考えておられません。   
私たち農家は、体が動く限り水稲栽培を継続していきたく思っています。しかしそれには水稲栽培の意義が必要なのです。
篠山市は平成21年「農都宣言」をおこない、今12月定例会において「農都創造条例」を制定しようとしています。篠山を農の都と宣言し、農業振興を図り、元気な農業者を育成していく具体策を実行していくものと受け止めています。
農の都を作り上げ維持し続けるには、行政や農業者だけで出来るものではなく、篠山市民の皆様のご理解とご協力が必要と考えます。
篠山市民の皆様、市内農家が栽培するお米を食べてお米の価格を支えてください。お米を食べての笑顔を下さい。篠山市民の皆様、どこの産地よりも、おいしくて安全で安心な篠山のお米を食べて、篠山の農業・農地・景観そして神が創った農村を共に守ってください。お願い致します。
農都創造条例制定を受けての具体策の1つとして、「篠山市民に篠山産のお米を食べてもらう運動」の展開を提案し、市長のお考えをお伺い致します。

 


続きまして質問事項2 「篠山城 お堀周辺の環境美化への取組みを」を、市長・教育長にお伺い致します。

 

酒井市長の平成26年市政執行方針にうたわれ、篠山城のお堀再生プロジェクトの一貫として、北堀にボートを浮かべる取組みが、平成27年春の実施に向け準備が進められています。昭和48年度まではボートが浮かんでおり、私も乗った記憶があります。ボート復活により、篠山城跡が篠山市民にとって身近な存在となるよう、また観光にお越しいただく多くの皆様にとって、忘れがたい思い出となりますことを祈念するものであります。
 北堀にボートを浮かべる取組み、南掘のハス復活への取組み、南堀内の外来種駆除の取組みと、お堀の再生に積極的な取組みが行われていることを、うれしく思うところであります。
 しかし外堀を一周してみると、ごみのポイ捨てや流入、クツワ藤や背高あわだち草等の雑草の繁茂、古木と化した桜の木の未整備、巨木化した柳等の雑木の未整備、そして竹やぶの密生による竹枯れや倒竹が目に付くものであります。
お堀法面上部は、以前に草刈りをされたことがあると思われますが、お堀法面上部以下は、草刈されたことがないように思われます。
 春には満開の桜のもと、ボートが浮かび、多くの笑い声が聞こえてきます。その方々をおもてなしするためにも、美しいまち篠山を全国に発信するためにも、お堀周辺の環境美化を行いましょう。
幸い「外来生物捕獲大作戦」実施のため、南堀の水が抜いてあり今ならお堀に入れます。水が抜いてある間に環境美化に取り組むべきです。
ボートを浮かべて満足するのではなく、市長が先頭に立っていただき、広くボランティアを募り、市民の力で雑草や雑木等を除去し、市民の宝である篠山城跡を、美しく誇りある資源とすべきであると考えます。
そして「世界の皆様こんにちは」と、世界から多くの皆様をお迎えしようではありませんか。
市長・教育長のお考えをお伺い致します。