平成253月議会  一般質問

議席番号2番、森本でございます。

議長のお許しを得まして、通告に基づき市長にお伺いするとともに、ご提案申し上げます。

質問事項1点目は、「社会基盤施設の老朽化対策について」であります。

東日本大震災の時には、震度5以下だった地域でも事故が多発しました。東京の九段会館では、天井が崩落して、2名の方が亡くなりました。震災はきっかけに過ぎず、築77年という老朽化が真の原因と言われています。

また、昨年12月2日に起こった、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故も、設備の老朽化が原因といわれています。

日本の社会資本は、短期間に集中して整備がされました。篠山市においては、1960年代後半より本格化した圃場整備事業に関連しながら、多くの道路が付けられ、河川・ため池が整備され、多くの橋梁が架けられました。 そして、経済成長に合わせ、上水道が整備され、下水道も市内全域をカバーすることとなりました。

急速に整備が進んだ各種公共施設は、現在、築後50年近くを向かえ「朽ちるインフラ」として、社会問題化しています。

篠山市においても、市民の安全を守る防災性の向上の観点や、将来の更新投資金額の低減も含め、社会基盤施設の老朽化対策は急務の課題であり、しっかりとした計画を立案し、長期的な取り組みが求められています。

平成24年度に示された橋梁長寿命化修繕計画は、市が管理する市道橋梁817橋を、今後、毎年1億円強の予算をかけて計画的に修繕を行い、安全性の確保とコスト縮減を図ることを目的に取組む、今後100年間の長寿命化修繕計画であります。

また、市営住宅長寿命化計画は、用途廃止予定団地を除いた団地の改修工事を実施し、事業費を20年間で平準化する計画と理解している。

市道については、1級、2級その他を合わせ700km以上もあり、その全ての舗装状況の確認には至っていないと聞いている。早急なる確認に努めていただき、道路台帳への記載整備と、それに基づく市道舗装修繕計画等の立案を、求めるものであります。

学校関係の教育施設等の耐震化には、25年度においても積極的な取組みが予定されておりますが、他の公共建築物における耐震補強工事の予定は、計画できているのか、また、上下水道施設や管路の耐震化についての取組みは進められているのか、市民の、安心と安全を守る社会基盤施設の老朽化対策について、予算確保も含め、市長のお考えをお伺い致します。

質問事項2点目、「木を伐り、森と里を守ろう」に入ります。

今定例会、初日にご報告申し上げましたが、生活経済常任委員会の閉会中の所管事務調査のおり、加藤篠山市森林組合長から「今や篠山市において、森林組合以外に山仕事を生業としている方はいない」と伺いました。

残念であります。それほどに山と森林に魅力と価値が無くなり、関心が無くなったことを実感いたしました。

山の魅力を取り戻したいと思う毎日であり、山と向き合いたいと考えています。私の自治会、東木之部は、獣害柵設置に関連して、歩けなくなっていた尾根道を切り開き、遊歩道と展望所を設けました。その遊歩道、5月の連休には三つ葉ツツジのトンネルとなります。

展望所からは、篠山盆地が一望でき、晩秋には雲海に沈む篠山の街をみることが出来ます。

遊歩道の整備に山に入っていると、多くの鳥たち、そしてリスや、野ウサギと出会うこともあります。山にはドキドキの魅力があるのです。

私たちの身近にあった里山は、長らく放置され、大木化するとともに、これまで見られなかった景色になってしまいました。松枯れや、ナラ枯れも、里山林に人が手を入れなくなったのが原因、との説が有力であります。

里山森は、資源として使うことで長年保たれてきたが、

40年から60年、伐採されなかった里山の薪炭林は、谷間の農地を、そして山裾の民家まで飲み込もうとする勢いであります。

議員の皆様、職員の皆様、自宅裏や農地にかざす林は自ら伐れますか、大木化していませんか、危険木化していませんか。

木を切ろう、集落や農地に接する林辺整備活動を大いに大いに盛り上げ、大木化した里山の林を伐りましょう。

そして、森と里を守り、鳥獣害から農地を守りましょう。日本に、世界に誇るこの篠山の素晴らしい景観、その

景観の根幹である山々、日本海へと、瀬戸内へと多くの

河川の源流であり、命の源である清らかな水を生み出す

山々、山裾に住居する私たちを、暖かく包み、災害から

守り続けてくれる山々。

母なる父なる山々を守り続け、次世代に豊かで、魅力

ある山々、そして美しい景観を引き継ぐことは、私たちの大きな責務であります。

木を伐り、皆伐すること、そのことが里山林の再生復活につながるのです。

市政執行方針において、集落が行う林辺整備活動を支援する、新たな補助制度を創設するとあり、大いに賛同し期待するものであります。

取り組みへの積極的支援、そして取り組みへの啓蒙活動について、市長のお考え及び、施策をお伺い致します。

先日、サル被害に悩まれる自治会にて、里山彩園事業の活用を提案したところ、道具は購入出来ても、伐採する人がいないとの回答でありました。

たしかに高齢化の進行により、危険な作業を伴う林辺整備に取組めない自治会があることを危惧します。

木質ペレット用の、間伐材買い取り促進の軽トラック500台分の買い取り、今流行の薪ストーブ用の薪販売、

またシイタケのほだ木としての販売等、収益が見込めることもあります。

行政の仲立ちにより、林辺整備の作業委託を受けることで、ボランティア的な里山林木伐り応援隊の創設や、生業としての林業家再生につなぎたいと考えます。

市長のお考え及び施策をお伺い致します。

質問事項3点目、「黒豆の館の発展支援を」に

入ります。

地域活性化センター黒豆の館は、農林産物及び加工特産品を提供し、農林業の体験等を通じ農村と都市の交流による地域振興を目的とし、合併前年の平成104月に旧西紀町下板井にオープンをしたものであります。

館の運営については、地域住民が主体的に参画した組織「黒豆の館とっぱち協会」が、当初より今日まで管理運営を担い現在は、平成2341日より5年間の指定管理を受けているところであります。

オープン当初、安全・安心な食材を求める気運と、健康にすぐれた黒豆ブームが大いに盛り上がり、拡販につぐ拡販、またカタログショッピングにおいても、在庫がおいつかない盛況ぶりでありました。

市の職員も常駐し、他市からの視察も相次ぎ、人であふれ、地域活性化の成功例と、もてはやされ、まさにバブルであったのかもしれません。

平成13年度、前館長の各地出店に伴い、多額の負債を抱え、平成14年度は、その対応に明け暮れるとともに、多額の損害請求を受け、平成15年度は7箇所から裁判を受けることとなりました。

事件発覚後、市の職員は引き上げるなか、当時の役員さんたちは、まさに手探りで、自分の身を切りながら、自費で裁判を受けて立って頂き、和解等に努めて頂きました。

事件の影響を受け、黒豆の館に集う人は減り、売り上げは落ち、レストランの人件費が出せないという、長らく厳しい経営環境ではありましたが、多くの方からのアドバイスや、役員さんはじめ、関わって頂く多くの方々の献身的な努力の成果として、おいしい田舎バイキングとして、テレビや新聞また雑誌にも、報道頂けるまで回復いたしました。

田舎バイキングに使うお米は、当然に地元産、また食材に使う野菜も、出来るだけ地元産を使っておりますが、足らないという状況であり、増産をお願いしているところであります。

地元の野菜が料理として、多くの人に満足を与えている、立派な6次産業化を実行していると思っております。

今のバイキングブームも、いつかは落ち着きます。

役員の皆様は、ブームに浮かれることなく、今の間に、更なる地域振興と農業振興に努めると共に、篠山市からの指定管理を受けるのにふさわしく、施設運営における

責任の所在を明確にする、株式会社「黒豆の館」の設立準備を進めておられます。

法人化、それは農産物販売に関わる商業活動を行なう上、また金融取引においても、必須項目であります。また、指定管理を受ける立場としても、以前から求められて来たものであります。

任意の団体から責任ある法人化へは、行政も推奨すべきであり、地域活性化センター黒豆の館の、安定的発展のため、出資をもって法人化支援を行うべきと考えますが、市長のお考えをお伺い致します。

また、現在の指定管理者からの名義変更、及び今期指定管理期間更新時においても、地域住民等が主体的に管理運営に参画している新法人に、特定指定すべきと考えますが、市長のお考えをお伺い致します。