平成25年12月議会  一般質問

                      平成25125

 

 議員番号2番、森本でございます。

 

議長のお許しを得まして、通告に基づき、市長・教育長にお伺いすると共に、ご提案申し上げます。

 

 

 

 

 質問事項1点目は、「篠山暮らし案内所」の活性化による、空き家活用についてであります。

 

 平成25年度におきましても、引き続き市民をあげて「ふるさと篠山に住もう帰ろう運動」を進め、定住促進を推進していきます。と市政執行方針にあり、人口減少の大きな波に飲み込まれようとする篠山市においては、重要な取り組み政策と考えます。

 「ふるさと篠山に住もう帰ろう運動」の定住促進に、大きな役割を担っていただいており、不安をお持ちのIターン希望者の、安心できる最初の窓口となっていただいておりますのが、「篠山暮らし案内所」であると認識しております。また「何から始めたらいいの」「住む空き家はあるの」「働く場所は」「子育ては」等の、色々な声にひとつひとつお応えいただく篠山暮らしの総合窓口の役割を、期待するところであります。

 平成23年・24年・25年度の利用状況を見させていただくと、多くの相談件数があることに驚くと共に、篠山への移住希望が大変人気が高く、魅力ある田舎を作り上げていただいた先人、そして市民の皆様に心から感謝申し上げたいと思います。

 希望情報のトップは物件事情であり、条件が合うよい物件があればすぐにでもとの方も多くあります。その皆様の希望に、少しでも応えられているのでしょうか、お伺い致します。

 私は友人と共に、西紀南地区として、平成20年度より農村ボランティアを受け入れており、毎月第2日曜日10名前後の皆様が、阪神間の自宅を朝6時台に出て、電車賃を使い、高速道路料金を使い、9時からの農作業支援に汗を流していただいております。

その皆様の中から、篠山の魅力に引かれ、農業の魅力に引かれ、篠山へ移住したいとの思いの3家族が生まれ、「篠山暮らし案内所」を紹介し、登録されましたが、残念ながら希望がかなわず福知山市・丹波市青垣町、そして綾部市へと移住、定住されました。

少子高齢化における人口減少、そして農業後継者難の大きな流れのなか、篠山市への移住希望者の移住目的として、新規就農や、篠山での子育てを挙げていただいている皆様が多くおられることを、もっともっと大切にするべきだと思います。綾部市へ移住された夫婦は、3人目の子供が生まれるなか、行政の支援を受けながら、京野菜の有機栽培をしっかりと始められています。

 また平成24年度から、各まちづくり地区に定住アドバイザーを設置し、空き家物件の調査や移住・定住に関する相談をお世話になっており、「篠山暮らし案内所」との連携も明記されております。成果はどのようにあったのでしょうか、紹介する空き家物件の確保は増えたのでしょうか。

更に、今12月定例会において「篠山市空き家等の適正管理及び、有効活用に関する条例」が提案され、空き家の所有者に対し、有効活用を促すことを明記されようとしています。

執行者における「住もう帰ろう運動」の方向性については、物件紹介は不動産業者に任せ、「篠山市暮らし案内所」は、就農者や起業者など、地域が必要としている定住を重点的に行っていく。とありますが、それで人口の社会減の抑制に繋がるのでしょうか、多くの定住希望者のニーズに応えることになるのでしょうか。

人口減少に伴う多くの課題の解決策として、交流人口の増加と、Iターン者の受け入れは、目に見える大きな効果があると考えます。市長が言われる『篠山の時代』の具現化なのです。篠山で空き家物件、移住場所が見つからなければ、残念ながら他所で移住物件を探され、他所にて定住されます。日本の多くの市町村では、地域の存続と未来をかけ、Iターン者の確保に全力をそそいでいる状況なのです。

先日、篠山市内におきましては、174自治会で491戸の空き家があるとの報告をいただきました。活躍いただく条件は大いに整いつつあります。「篠山暮らし案内所」の活動を、より活性化し専門性を高め、有効活用すべき空き家を集め、良い形での不動産業界との連携を行いながら、篠山存続の危機感を持ち、1人でも多くの移住希望者を受け入れ、多くの相談事案を形にすべきと考えます。

待ちの仕事では、残念ながら形は見えてきません。空き家条例制定に合わせ、関係部署の連携のもと「篠山暮らし案内所」の活性化を求め、市長のお考えをお伺い致します。

 

 

 

質問事項2点目は、『職員の定数と質問向上について』であります。

 

篠山再生計画に基づく職員の定数削減により、平成2541日の職員数は449人となり、職員数の目標値450人を達成することが出来ました。再生計画立案の平成19年度当初に比べますと、116人の減となり、定員・給与の見直しの4項目合計は、10億913万円の実績効果額であり、計画効果額との比較では、2億1893万円のプラス効果となっている。職員の皆様のご理解、ご協力、そして自ら身を切る酒井市長のリーダーシップに心から敬意を表するところであります。

 職員定数は、業務量等に応じて決定されるべきでありますが、収入に応じた経営経費(人件費)であることも求められると考えます。

再生計画の、定員・給与の見直し目標値を大きく上回っていることは、職員定数目標達成以上に、高く評価できるのではないでしょうか。

地方分権の流れのなか、2000年施行の地方分権一括法以後、機関委任業務が廃止されるなど、多くの事務が地方自治体に移管されつつあり、また各自治体の自己決定・自己責任による独自の政策が求められるなか、篠山市職員定数が、450人で適当なのかの検証が必要と考えます。

職員定数に関しては、消防職や看護職を除いて人口の100分の1程度と言われるなか、本市では、消防職も含めて人口の100分の1程度であります。

篠山市の魅力を更に高め、『篠山の時代・世界の篠山』を目指し、また市民の安心・安全を高める政策遂行には、人的資源は必要であると考えます。職員増を必要とする部署があるとするならば、再生計画の人件費目標値内での必要最小限の人員増に応え、必ず形を残させる。また正規職員が無理であるならば、他市では定着している再任用制度の活用を図り、長年にわたる市職員として得た知識や経験を生かしていただき、市政発展や新しい事業の展開に努めるべきだと考えます。

平成228月に、人事院から国会と内閣に向けた「職員の給与等に関する報告」のなかで、65歳定年制への移行についての考え方が示されております。公的年金の支給開始年齢が、65歳へと段階的に引き上げられることに伴い、定年年齢を65歳まで延長することが適当であるとし、給与制度の見直しや、役職定年制また再任用制度活用等を検討することとなっております。

今定例会では、再任用職員に対する給与の改正に関する条例が提案されております。優秀で篠山市民の喜ぶ笑顔がみたいと希望される再任用制度の定着を、心から願うところであります。

また、事務増加や煩雑化に対応ができ、社会の変化や住民のニーズを的確に把握できるように、職員の資質や意欲の向上に努めなくてはなりません。現在行われている職員研修や提案制度が、職員の資質や意欲の向上に十分寄与しているのでしょうか。公務は最良のサービス業であり、優良な営業マンであるべきです。民間的要素を取り入れ、より充実し徹底した職員教育を行うべきであります。

そして、人事評価を取り入れ、適材適所に気を配るなか、残念ながら不向きと自己判断される職員があるとするならば、それはしかたがないと思います。その半面、意欲ある職員に対しては、教育の場・飛躍の場、そして評価の場を用意するべきと考えます。

先日記者発表され、広報にも掲載された「市職員としてまちづくりに参画してみませんか」におきましては、『篠山の時代』を実現するために、市民参画によって英知を結集して課題解決を目指します。そしてボランティア精神を発揮していただき、これまでの貴重な経験と強い熱意を市政に活かしてくださいとあり、立場的には非常勤特別職とし、課長・副課長の相当職に付いていただくと聞くにおよび、悲しく残念な思いであります。

広報を見られた市民の方々からも、そんなに職員が不足しているのか、そんなに人材がいないのか、とのご心配の声もいただきました。『篠山の時代』を実現するためには、たくさんの課題があり、篠山再生との両立が必要とされる厳しい状況の中においては、課題解決を目指し、リーダーとなりえる職員は存在しないとお考えなのでしょうか。

私は違うと思います。充分になりえる職員は数多く存在いたします。

1人1人の職員を育成し、個性を伸ばし、多くの知識と経験を充分に活かし、大きく羽ばたかせる。そのことこそが、『篠山の時代』『世界の篠山』につながるはずです。

今ある人材は、先人の皆様が、篠山のためにと残していただいた貴重な人的資源です。

職員の定数と資質向上について、市長のお考えをお伺い致します。 

 

 以上で、この場での質問は終わります。

 

 

  

 

質問事項3点目 「多文化共生教育の充実に向けて」に入ります。

 

近年、わが国の外国人登録者数は増え続け、特に1989年の「出入国管理および難民認定法」の改正で、日系外国人には就労活動に制限がない入国が認められた結果、日系ブラジル人の増加が顕著である。

この急増した日系ブラジル人の受け入れへの、国と地方自治体の対応が追いつかず、就労、教育、医療、地域社会への適合など様々な問題を生じている。なかでも、ブラジル人児童生徒は、母語と異なる日本語で運営される公立学校での就学でさまざまな困難に直面しており、不就学にいたるケースも多いといわれている。

 日本国憲法、および学校教育法では、外国人子弟の教育については、特に法的規定はなく、外国人の学齢児童は、日本の学校に就学する義務を負っていない。しかし、国連の「児童の権利に関する条約」にある「18歳未満のすべての児童への教育保障」はわが国の責務でもある。在住日系ブラジル人等の外国人子弟へのより良い就学機会の提供に向け、ブラジル人の意思を尊重しながら、教育環境を整備していかなければならないと考えます。

 ブラジル国籍の外国人登録者数は、日本全体で19万人余り、篠山市においては154人となっております。その皆様方が同伴や呼び寄せた学齢児童生徒は現在、篠山市内6小学校で9名、3中学校で7名、合計16名の在籍となっており、県教委や市教委の配慮のもと、日本人児童生徒への教育を前提にしてきた教育現場の先生方にとって、先例のない困難や悩みにも直面しながらも、真剣なお取り組みをいただいておりますことに、敬意と感謝を申し上げます。

 私の出身小中学校においても就業先があることもあり、最近は常に数名の児童生徒が在籍している状況であります。学校へ行くたびに様子を伺い、異国の学校での就学に心からの声援を送るものであります。

 しかし、残念ながら日本語になじみの薄かったブラジル人児童生徒にとっては、公立小中学校における日本語での就学の困難性は大きく、十分な知識の習得には至っていないように感じるものであります。中学校においては、ほとんど授業についていけない生徒もいると聞き、問題行動への心配も致します。可能な範囲で、多文化共生サポーターやフォリナーサポーターを配置していただいておりますが、十分な配置となっているのでしょうか。サポーターの増員派遣等により、外国人児童生徒の公立学校への適応が少しでも早くなると共に、教職員の皆様の負担軽減や、指導しやすい環境づくりが可能になるのです。

 今、日本が直面する大きな国際課題であるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、その協定の中には労働力の自由化も含まれるといわれており、近い将来、更に多くの外国人児童生徒を受け入れる状況になると思われます。サポーターの数に限りがあるのであれば、招致や発掘に努め、人材を育成する必要があると考えます。

 外国籍児童生徒が、市内小中学校で適切な教育が受けられているかを、しっかりと把握し、更に学習意欲を高めること、そのことが「世界の篠山」につながると考え、積極的な取り組みを求めます。

 また最近、日本社会の一つの傾向として、外国人とりわけアジア諸国の人々との国際結婚が増加しています。日本人男性が外国人女性と結婚する組み合わせが多数を占めており、その多くの女性にとって、日本語習得が進んでいないと聞き及びます。その様な外国籍保護者を持つ日本国籍児童生徒は、篠山市内7小学校で9名、2中学校で3名、合計12名となっております。12名の児童生徒の生活環境や教育環境に問題や課題はないのか、保護者を含め、支援の必要性はないのかを心配致します。多文化共生教育の充実に向けて、教育長のお考えをお伺い致します。