平成24年9月議会 一般質問
議席番号2番、森本富夫でございます。
議長のお許しを得まして、通告に基づき、市長・教育長に
お伺いすると共に、ご提案申し上げます。
質問事項1点目は、「孤独死を防げ」であります。
私たち生活経済常任委員会は、閉会中の所管事務調査として、
7月23日(月)に橋梁長寿命化計画並びに、市営住宅長寿命化計画の詳細な説明を受けた後、各何ケ所の現地踏査を行いました。
その内容は本会議初日に報告したとおりであります。
その現地踏査のおり、非常に残念な話を担当部署から聞きました。市営住宅のその部屋で、1人住まいの方が、孤独死されておられたとのことでありました。50代後半の男性で、高齢ではなく、また入居期間は11年と長く、普通にお付き合いをされておれば、けっして孤立な状況にはなり得ないと考えられます。
最近市内でも、何件かの孤独死が発生しており、該当するまちづくり協議会が、対応を検討されているとのことを聞いてはおりましたが、実感としての問題意識は感じておりませんでした。
しかし、自分が孤独死された部屋の中におり、亡くなられた方の、人生や死に至る経過や思い、そしてもし本人からSOSが頂けていたら、もし誰かが気付いて頂けていたら、救えた命ではなかったかと考えたとき、非常に残念に感じたところであります。
孤独死とは、1人暮らしの人が誰にも看取られる事無く、当人の住居内等で、生活中の突発的な疾病等によって死亡するケースが、このように呼ばれています。
また、社会的孤立のために、住居内で死後他者に気付かれず遺体がそのままとなったケースにおいては、孤立死とも表現されており大変痛ましい事案であります。
以前は、1人暮らしであることを孤独死・孤立死の定義とされていましたが、家族に看取られない死は、1人暮らしの高齢者に限らず、老々介護の中で疲弊した介護者と要介護者、また重度の障害をお持ちの方の、介護者と要介護者が共に亡くなられるケースや、同居親族が数日家を空けている間に亡くなられるケースなど、高齢者の孤独死・孤立死は必ずしも1人暮らしに限定されるものではないと考えられています。
9月17日は、長年にわたり社会に尽くして来られた高齢者を敬愛し、長寿を祝う「敬老の日」でありました。総務省の推計では65歳以上の人口は初めて3,000万人を突破し、3,074万人、総人口に占める割合は、24.1%と過去最高を更新したとの発表がありました。
篠山市を見てみますと、6月末で、人口44,360人、その内65歳以上は、12,419人、高齢化率は、27.9%。4月1日現在の1人暮らしの高齢者は、2,573人となっており、今後更に増すと予想されており、市内の多くの高齢者が「孤立」化の危機に直面されておられます。
核家族型に大きく変化した日本の家庭は、子供が独立すると夫婦2人だけが残され、平均寿命の伸びがこれに加わって、夫婦2人又は、その後1人という世帯が増加し、期間も長期化することとなります。また身体的衰えから地域や社会活動に参加せず「孤立」した暮らしになってしまうのです。事実、17日に招待頂いた2か所の敬老会の参加者ですが、共に6割〜7割であり、残りの何人かは、常に不参加とのことでありました。
非常に早い速度で高齢化が進むと共に、単身高齢者や高齢者夫婦のみの世帯の増加が予測される篠山市、高齢化と共に地域力の減退が進むことにより、人と人とのつながりが疎遠になってしまい、都市部の話だと思っていた無縁社会が広がり、孤独死が今後増えて行く事を危惧いたします。
「孤立」した生活が一般的となっていく中で、「孤独死」は誰にでも起こる危険性がある事柄になりつつあると思われます。悲惨な「孤独死」を防止するためには、人と人とのつながりを持った温かいコミュニティを目指すとともに、高齢者を含めて地域を構成する全ての人が、様々なネットワークを通じて、見守り、支援する必要があるのです。
自治会や、まちづくり協議会でも対応を考えるべきと考えますが、行政としての真剣な対応と、更なる取り組みが必要と考えます。
戦前・戦後を通して、懸命に働き続け、今日の日本、そして篠山を築いて頂いた人生の大先輩に酬いるためにも、悲惨で残念な孤独死を防ぎたいと思います。
市長のお考え及び、取られる施策についてお伺い致します。
続きまして2点目の質問に入ります。
「確かな学力を生徒全員に」について教育長にお尋ねいたします。
本年度の教育方針において、篠山市教育委員会の基本理念である「一人一人が光り輝き、生きがいをめざす」教育を推進する。と掲げられ学校教育においては、「確かな学力の育成」に努めますとあります。
また教育目標としては、「生涯にわたって学習する意欲を育み、生きる力を培う」施策を展開します、とあります。
教育委員会の職員の皆様はじめ、学校職場の先生方におかれましては、教育委員会の教育方針に基づき、力一杯のご努力を頂いておりますことを十分に認識しており、心から感謝と敬意を表するところであります。
しかしながら、本年7月20日の議員全員協議会、「篠山中学校における問題行動について」の報告のおり、問題を起こした生徒や他にも対応が必要な生徒は、学力がついてなく授業がわからなく付いて行けない。そのため教室に入らない、そして入れないとの報告が教育長からありました。非常に残念で生徒に対しては申し訳ないことであります。
いつの時代でも学力が劣る生徒がいることは事実でありますが、小学校入学時には、「分かりたい、出来るようになりたい」という願いや意欲を持っていると思います。
その願いや意欲を大切に出来ず、充足感や満足感を持たすことが出来なかったことは大きな問題であり、今回の篠山中学校における問題行動の大きな要因であるのではと考えます。
日本の義務教育は、日本国憲法をはじめ教育基本法等の定めにより、すべての国民が、その保護する子女に、9年間の普通教育を正規の小中学校で受けさせるよう強制された教育であります。
それとともに、憲法では「すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と定め、国民ひとりひとりの教育を受ける権利を保障しております。篠山市立小学校、そして中学校に在籍する全ての生徒に対して、篠山市教育委員会は、教育を受ける権利(学習権)を保障できているのでしょうか。
篠山市内の高等学校の教育水準の低下が以前から心配されております。当然一部の生徒であると思われますが、分数の計算が出来ない、英語の文法が全く理解出来ていない等の話を聞いたことがあります。
平成21年度全国学力・学習状況調査において、中学校3年生では、国語・数学共、ほぼ全ての領域で全国平均を上まっている結果となっておりますが、大きな問題は著しく学力が劣る生徒を、どのようにして平均まで上げていくかではないでしょうか。
小学校低学年から、一人一人の学力をしっかりと把握し、劣る学力に対しては家庭と連携し、徹底して対応して頂くことを希望するところであります。
教育現場の先生方は、非常に多忙であると伺います、しかし教育委員会の指導のもと、全ての生徒の成長こそが、教職に就かれている先生方の満足感・達成感、そしてやりがいとなるのではないでしょうか。
そしてそのことが「生きる力」の源となると考えますが、教育長のお考え及び施策についてお伺い致します。