議席番号1番、森本富夫でございます。

議長のお許しを得まして、通告に基づき市長にお伺いすると共に、ご提案申し上げます。

質問事項1、「緊急雇用創出事業」効果・評価と今後の継続について

日本国内における景気回復に対する不安は、晴れるどころかここにきて更に暗雲が垂れ込め始めました。

債務危機に揺れるヨーロッパにおいて、非常に強い経済力を誇るドイツでの、新規発行の国債が売れ残る「札割れ」が発生し、株価が大きく下がった欧米に連動し、東京市場の平均株価は、2日連続で年初来安値を更新する事態を招いてしまいました。

今年度前半は、震災の影響で大きく落ち込むが、秋口には復興需要が本格化し、景気は回復軌道に乗るという、政府や日銀が描いた日本経済の見通し達成のため、そして雇用機会創出のための取り組みを、政府に強く早急に求めるところであります。

「緊急雇用創出事業」とは、2008年に発生した世界同時不況により、大量の解雇者が出たおりから、厚生労働省が予算を付けて行われている雇用対策であり、長期不況により解雇された失業者を、行政機関や業務を委託された民間企業で短期間雇用を行い、後の長期間仕事への就職、ひいては生活の安定につなぐ事業であり、民主党へ政権交代したのち、今後の長期雇用にも結び付く「重点分野雇用創出事業」が、創設されたと認識しています。

篠山市においても、本事業を活用し、環境課グリーンリーダーを始め、多くの部署で多くの市民の皆様を、直接雇用するとともに「オススメ観光PR事業提案企画」コンペ等、重点分野雇用創出事業を展開し、間接的にも雇用創出に努めてきました。

丹波地域の雇用状況を見てみますと、有効求人倍率が、前年同月比20ヶ月連続して上回っているなど、持ち直しているものの、依然として厳しい状況にあります。平成23年9月の有効求人倍率は、0.73となり前月を0.09上回っています。有効求人は1,456人で、前月比15.3%の増加となりましたが、有効求職者は1,988人であり、求職者のほうが多い現実と、有効求人にはパート・臨時職が多いこと、また求職者には、正職希望が多いなどミスマッチが多くあると考えます。

またその中でも、若年者雇用対策は大きな課題であり、次代を担う若者の雇用・生活の安定を図るため正規雇用化を支援することは、行政の大きな役割であると考えます。

全国的にみた若者(1524歳)の完全失業率は、9.1%(平成22年平均)と、依然年齢計(5.1%)に比べて相対的に高水準で推移しており、フリーター数についても、平成15年の217万人をピークに5年連続で減少したものの、平成21年には178万人と6年ぶりに増加する状況にあり、篠山市においても、新規学卒者の就職環境は厳しさを増すばかりであります。

そのような状況のなか、「緊急雇用創出事業」本事業で勤務いただいた皆様、特に若年層の皆様は、契約期間終了後、長期雇用に結び付いたのでしょうか、行政は更なる雇用機会確保に努めなくてはならないのではないでしょうか。

また本事業でお世話になった事業の中には、本来職員をしっかりと配置すべき業務や、重点分野雇用創造事業では、新しい時代に向け、しっかりと対応すべき事業も含まれているのではないかと思われます。

両事業とも、原則2011年度までの期間限定事業であり、終了時点で雇用改善が見込まれないと、再び失業者として追いやってしまいます。本事業による雇用対策の効果と、本事業を利用し、緊急雇用で対応している業務や発注した事業をどのように評価しているのか、また雇用対策も含め、今後の継続について、どのような対応をとるのかをお伺い致します。

 

続きまして質問事項2、大きな夢と希望を持ち、大河ドラマ「明智光秀」誘致に参画を、に入ります。

今年も篠山には、年間を通して多くの観光の皆様にお越しいただいております。晩秋の1123

(祭)農業まつりの当日でも、三ノ丸駐車場には、多くの観光バスと他府県ナンバーの自家用車であふれ、街なかは、10月の枝豆シーズンに負けない観光客の熱気でありました。

地元の私たちには理解できない観光客の多さ、まさに市長が常に言われる「篠山の時代」が来たのかもしれません。

多くの観光客に、お越し頂く篠山の持つ魅力は、何なのでしょうか。素朴な食、手が入っていない自然、また中世からの歴史や文化が生み出す、地域資源や地域力にあると考えます。

それと共に、大阪・神戸・姫路から1時間前後という地理的条件にも恵まれていること、また、篠山という絶対的な話題性も大きな力となっていると思われます。

 篠山の時代を更に高め、永久的なものにするために、篠山の自然と歴史文化を、全国に強く大きく発信でき、観光振興と地域経済の活性化に、大きく寄与するNHK大河ドラマ誘致に、参画しようではありませんか。

ここで少しNHK大河ドラマについて学びましょう。大河ドラマは、1963年から毎年違うテーマで制作・放映しているテレビドラマシリーズであり、本年の「江〜姫たちの戦国〜」は、50作目に当たります。

主に日本史上の人物や事件などをテーマに、1年間を通して放映されるもので、NHKが総力を上げて制作する看板番組であり、出演者は各方面の多彩なキャストも加わり、毎年多くの話題性を提供しています。

 全般的には、前半はロケーションが多く、中盤にクライマックスがあり、戦国時代の合戦シーンなどでは、他局には真似のできない迫力を誇っています。 

 大河ドラマの視聴率は、年によって違いはあり、「江〜姫たちの戦国〜」の最終回は19.1%、年間平均17.7%と、低調なまま終了したと言われておりますが、日曜日夜8時台、裏番組の中で通常番組において、視聴率として「大河ドラマ」を上回ったものは数少ないとのことであります。

さらに特筆すべきことは、観光への大きな影響力であります。大河ドラマ誘致が決定すれば、《大河ドラマのまち》と銘打ち、自治体や地元経済団体等が、地域活性化に取り組むケースが多く見られます。 

今年なら、江を含む浅井三姉妹が生まれた小谷城のある近江を中心とした滋賀県を始め、母お市のふるさと清洲城のある清洲市、また母が再婚し移り住んだ北の庄城のある福井市などが、観光を中心とした積極的な取り組みを行い、各地とも大きな成果をみたとのことであります。

また、来年1月から放映される「平清盛」にちなみ、清盛ら平家ゆかりの史跡が点在する神戸市では、早くも「町おこし」の活動や、観光PRが始まっています。

春先の観光会社の企画で、お客が集められ、満足を得られる旅行先の1番は、大河ドラマのまちに行くことです。はずれないのは、話題性があるからです。

NHKには全国各地の自治体等から、戦国時代の人気武将、例えば、信州上田市の真田幸村公などを中心に、多くの誘致依頼があるとのことです。

私たちの近くでも、京丹波地域を中心に、明智光秀公ゆかりの、亀岡市・福知山市・大山崎町、娘の細川ガラシャゆかりの、長岡京市・宮津市・京丹後市と、娘の嫁ぎ先の細川幽斎・忠興ゆかりの舞鶴市の、京都府内61町において、本年427日「NHK大河ドラマ誘致推進協議会」を設立し、平成26年度を目標に、府知事も一緒になり、積極的な誘致活動に取り組まれております。

明智光秀公は、織田信長の家臣としては異色の武将で、戦国一の知将であると共に、教養の高い文化人としても知られています。

織田信長の命を受けて着手した丹波攻略のなか、近畿で最後まで反信長勢力として抵抗した八上城攻めは熾烈を極め、光秀の母親を人質に差し出しての攻防戦は、まさにドラマの大きな見所となるでしょう。

市教育委員会においても、山頂の樹木の伐採また登山道や看板等の整備に努めていてだいており、来る123日(土)には子供議会の提案を受けての、八上戦国ウオークを開催されるなど国史跡八上城跡の地域資源化が進みつつある中、大河ドラマ誘致は地域活性化に大きな弾みとなります。

地域資源の大いなる飛躍と活用、そして大きな夢を持ってNHK大河ドラマ誘致に、兵庫丹波を代表し参画すべきと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。