一般質問  平成20年6月

 

 

議席番号14番、森本富夫でございます。議長のお許しを得まして、通告に基づき市長にお伺いすると共にご提案申し上げます。

 

 

地方自治体を取り巻く自治状況は、めまぐるしく変化し続けております。篠山市を第1号として進められた「平成の大合併」により市町村合併が大きく進展したことにより、基礎自治体の行政体制整備が大幅に進み、権限移譲のもと、移譲されている事務は相当数に及んでいると聞いております。

 

国においては、基礎自治体の事務処理能力が向上しているとの認識のもと、平成21年度に予定されている「新地方分権一括法案」により、更なる地方分権を推し進め、基礎自治体に事務事業を優先的に配分し、地域における行政の総合的な実施の役割を担わせる、つまり「地方政府」の確立に向け、大きく進みつつあると思われます。その流れのもとにあるのが、2018年までに導入されるであろう道州制への移行であります。その道州制のもとでの基礎自治体の規模は中核市(人口30万人以上)程度とされ、最低でも10万人以上が必要と指摘されています。

 

旧多紀郡4町の、広域的課題解決に向けて合併した篠山市ではありますが、人口46千人を切った今、自己解決・自己完結に向け、最善の努力をすることは当然ではありますが、新たなる広域的課題解決に向けて近隣市、特に丹波市と広域的な連携強化を進める必要があると考え、具体例を上げ市長のお考えをお伺いします。

 

 

 

まず1点目は医療問題についてであります。今回、兵庫医科大学が県・市の新たな調停案を受け入れ、少なくとも今後10年間は、篠山病院の運営を続ける方針であると決定されたことは、誠に喜ばしいことであり、土地問題も含め、長期的視野に基づくしっかりとした安心な内容で、全市民が納得できる協定が合意できますことを希望するところであります。

 

今回、兵庫県が示した当初調停案に、さらに追加支援をしてくれたこと、そして新聞紙上によりますと、民間病院への本格的な公的資金投入は、県下でも初めてのことから考えますと、県は兵庫医大篠山病院を丹波地域の中核医療機関として、丹波地域の二次準三次医療を守ろうとされていると考えます。

 

残念なことではありますが、丹波医療圏内中核病院である、合った表現するのが正しい県立柏原病院は、勤務医の減少に歯止めが掛けられず、相次ぐ診療科目の休止と入院病床の休止、そして看護師さんの他病院への出向状態であり、丹波医療圏内は、まさに医療崩壊寸前であったと言っても過言ではありません。このような状況の中、兵庫医大篠山病院の存続は非常に重要な問題であり、篠山市だけの問題ではなく、丹波市も含めた丹波地域全体の問題であると考えます。実状として救急搬送も含め、丹波市からも多くの患者さんを受け入れている状態であり、存続決定後病院施設の建て替えが進むと、今以上の篠山市内の患者さんに加え、さらに多くの患者さんが丹波市から来られることが予想されます。そうなれば今度は兵庫医大篠山病院の医師の過重労働が心配されます。

 

医師を守り、地域医療を守ることを考えなくてはなりません。「柏原病院小児科を守る会」の皆様に学び「コンビニ受診を止めよう、お医者さんを大切にしよう」そして「本当に必要な人が、必要な時に診てもらえるように」の市民運動を、篠山にも根付かせる必要があると考えます。

 

以上を含め、医療問題は篠山市だけでは、とても解決できる問題ではありません。兵庫医大篠山病院が閉じても、県立柏原病院が閉じても、丹波地域医療圏は崩壊してしまいます。兵庫医大篠山病院存続が、最終決定されようとしている今、将来的な負担も含め、兵庫医大篠山病院の末長い存続と運営維持について、丹波市と協議を始めるべきと考えます。

 

 

 

 

次に2点目は、ゴミ処理問題であります。篠山市合併時の懸案事項の1つに、老朽化した「篠山市清掃センター」の全面改築があり、平成133月に一般廃棄物最終処分場、平成143月にリサイクルプラザ、そして平成1411月にごみ焼却施設が、総事業費約53億4千万もの多額の事業費をもって完成し、現在に至っております。多額の施設維持費や燃料代削減のため、今年度から溶融炉の稼動を中止し、大阪湾フェニックス計画へ焼却灰を搬出しているところでありますが、2炉ある焼却炉のランニングコスト等にも、多大な費用が掛る施設であります。

 

私が推察しますのに、この施設の基本設計は、篠山市新市計画人口6万人が出すゴミと、丹波市山南町域からのゴミ搬入量が想定されており、24時間稼動で日量80tのゴミ焼却処理能力を有しております。日量80tの能力を有しておりながら、19年度1日当りの可燃ゴミの取扱量は49tとなっており、フル稼働には程遠い現状であり、常に稼動している焼却炉は1炉のみで、3ヶ月に1度しばらくの間だけ2炉稼動させると聞いております。

 

多額の費用を掛けた施設でもあり、出来る限り稼働率を上げ、取扱量当りのランニングコストを下げるべきと考えます。また焼却炉は維持的にも耐久性にとっても、熱したり冷ましたりしない方が良いと聞いております。

 

丹波市では、山南町域を含めたゴミ処理計画が進められようとしていると聞き及びます。今現在十分に余裕がある施設、有効活用出来るように、また施設の維持管理費用の軽減のためにも、広域的な連携を図るべきと考えます。

 

その他に水問題においても、広域的な連携を考えなくてはならない課題ではないかと考えます。以上のような事柄を含め、中長期的視野に立ち、広域的課題解決に向けて、丹波市との連携強化を進めるべきと考え、市長のお考えをお伺いいたします。

 

 

 

 

続きまして「丹波ささやまふるさと応援団」づくりについてお伺いいたします。平成20年度、酒井市長の市政執行方針〔4〕「まちの活性化」への取り組みについて、さまざまな「ふるさと事業」を軌道に乗せていくとあります。

 

その最初が「ふるさと篠山へ帰ろう住もう運動」であり、昨年よりプロジェクトチームを発足させ、検討がなされてまいりました。今年度は具体的な施策が立案され、実行されると聞いており、そのことが篠山市の定住促進に寄与し、人口減少に歯止めをかけ、それぞれの地域の維持と活性化につながることを大きく期待しているところであります。

 

次に、「丹波篠山ふるさと応援団」づくりについての取り組みを上げておられます。市政執行方針によりますと、この応援団は篠山市を愛する皆さんによって構成され、「篠山市の活性化」や「魅力アップ」そして「帰ろう住もう運動」などに物心両面でご協力いただくものであり、篠山市民や篠山出身の皆さん始め、全国多数の篠山ファンの皆さん、さらに、近い将来導入が予定されている「ふるさと納税」をしていただいた方などに、入団していただきたいと思っているとあります。

 

そこで今回始まった「ふるさと納税」について何点かをお伺いいたします。ご案内のとおり、ふるさと納税制度とは生まれ故郷や、応援したい自治体への寄付を納税と位置付け、その額に応じて居住する都道府県や市町村に納める住民税が軽減される制度であり、大都市と地方間の税収格差が問題となる中、地域間格差の是正を目的に今年430日の地方税法改正で、導入されたものであります。

市長は早くから制度導入に期待されており、私もその対応に深い関心と大いなる期待をしておりました。市議会議員選挙が終わり、5月臨時会も終わり、いよいよ6月議会が始まろうとしても、議会に対する説明や、協力依頼が無いまま今日を迎えております。

 

市のホームページ上では、寄付金の受付を61日から開始する予定であると、ふるさと納税のご案内をしておきながら、具体的な動きは見られませんでした。

62日付けの市長日記では、6月からふるさと納税の受け入れをスタートしましたとあり、多くの人が篠山市にふるさと納税して頂きたいと、大きな期待を示され、目標は大きく1億円と述べられておられます。

 

多くの篠山市出身者や、篠山にお越し頂く方に呼びかけてゆきましょう。そして市民ひとりひとりの呼びかけに期待していますとありますが、どのような具体的行動により呼びかけていかれるおつもりなのでしょうか。

 

同じ62日には、災害対応型兼ふるさと基金寄付金付自動販売機の除幕式が行われました。同じするなら先駆けて、議員・市民マスコミを集め、丹波篠山ふるさと応援団推進本部等を立ち上げるべきでは無かったでしょうか。

 

63日現在の寄付状況を見てみますと、寄付者が1人おられたとあります。非常にありがたいことです。そこのお宅を市長が訪問され、市長は丁重に御礼を申し上げるべきです。そして他の市町村が行うまでに、大阪駅前でキャンペーン等を行い、マスコミに報道してもらうとか、丹波篠山の知名度を生かしマスコミを巻き込み、他の市町村に先駆け具体的行動を行うべきです。また各種イベントには、専用の受付や相談コーナーを設けることを提案いたします。

 

過日のお茶祭り総合案内で、寄付申込書送付封筒まで付いた立派な案内一式を頂きましたが、総合案内では細部の話をしていただける状況ではありませんでした。都市部よりの来客のあるイベント時には必ず専門のコーナーを設け、担当職員が専門に取組むべきと考えます。

 

また篠山には、秋を中心に多くの観光客がお越しになります。観光シーズンには、三の丸広場付近にテントを張り、相談や受付コーナーを設けるべきです。また本当に1億円を集めるつもりなら、全職員による全戸依頼訪問を行うぐらいの事をしなければ集まりません。私たち議員も当然出来うる限り協力いたします。

 

市長・職員・議会議員、そして全市民を巻き込んだ全市民的な展開を行わなければ、市長の掛け声だけに終わってしまわないかと危惧を致します。市長はどのようなお考えと方策をお持ちなのかをお伺いし、この場での質問を終わります。