議席番号14番、森本富夫でございます。

 議長のお許しを得まして、通告に基づき市長・教育長にお伺いすると共に、ご提案申し上げます。

 

 昨年のアメリカ発「世界金融危機」が、深刻度を増す中、戦後最大の「世界同時不況」が進み、わが国経済もまた輸出市場の急激な収縮に直面しております。

 少しは明るさが見えかけたと言われますが、輸出の急激な減少と、企業の在庫調整が重なる中、国内生産水準は低下し、雇用情勢や、国民全体の消費マインドにも、深刻な影響を及ぼしている。

 今年度の、わが国の経済成長率は大幅なマイナスになると見込まれ、実態経済の悪化が金融の一層の不安定化を招き、それがさらなる実態経済の悪化を招く、いわゆる経済の「底割れ」が危惧されています。

 また経済の収縮による悪影響は、多くの中小企業・地域経済や非正規労働者等の「社会的弱者」にしわ寄せされる形で現れ、社会全体の不安心理が急激に高まっている。

 篠山市内に目を向けると、製造業では大手企業の下請け、孫請け企業が多く、仕事の激減で、1ヶ月の自宅待機や、神戸市内工場への出向、週3日の休み導入や、工場の集約化により、篠山工場を閉鎖する企業が出ているのが現状であります。

 また、篠山市内の建設業者の皆様においては、3月に要望書2件を頂いておりますように、まさに仕事が無く、建設業に従事されている多くの皆様が、失業の危機に直面されておられます。

 市内建設業者においても、中小零細業者がほとんどであり、日本のバブル崩壊後の民間発注が回復しない中、大手の下請けや、県・市の公共事業により事業継続に努力され、地域の雇用にも大いに貢献してこられました。           しかし最近は、県・市の公共事業の激減、また民間発注が皆無に近い状況であり、絶対的仕事量の減少の中、月給制であったのが、日給制となり、中高年者の解雇等、まさに限界となりつつあります。

 市長は以前、この本会議場において、建設業が厳しいのなら、業種転換してもらったらどうかと、発言されましたが、そんなに簡単に業種転換が出来るものではありません。培われた技術、技能を生かしてもらうと共に、雇用の確保、後継者育成に努めてもらう事が大切であります。

 また、小売業者の皆様においても、状況は悪く売り上げの減少が続いており、今年に入ってからは更に悪化しており、商売をいつまで続けられるのか、子供に家業を継がせるのがよいのか、悩んでいるとも聞かせてもらいます。事実、商工会の会員数も減少しており、市内小売業者の皆様に対しても、何らかの活性化対策が必要ではないでしょうか。

 以上のような状況の中、政府では深刻度を増す「世界金融危機」と、戦後最大の「世界同時不況」から、国民生活と日本経済を守るため、これまでに打ち出した総額75兆円の景気対策に続く経済危機対策として、

「地域活性化・公共投資臨時交付金」

「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を、平成21年度補正予算において創設されました。

「地域活性化・公共投資臨時交付金」は、1兆3790億円が計上され、経済対策における公共事業等の追加に伴う地方負担総額の、9割程度を交付するとありますが、詳細については、今後に大いに期待するものであります。

「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」は、1兆円が計上され、地方公共団体において、将来に向けた地域の実状に応じる、きめ細かな事業を積極的に実施するように創設され、篠山市へは、59400万円が示されています。

 篠山再生計画に基づく再生に向けて、第1歩を歩みだした今、安易な使い方をするべきでは無いと考えますが、再生計画では予定していなかった交付金であります。

 厳しい財政状況の中、今まで出来ていなかった、また我慢していただいていた、必要な公共投資を中心に、厳しい経済情勢の中で、三重、四重の苦しみに耐えて、懸命に努力をされておられる市内個々の中小企業者、建設業者、そして小売業者の皆様が、少しでも元気になるような緊急経済対策を、打ち出すべきであります。

 地元企業の皆様の受注機会に、最大限に配慮しながら、速やかに新たな経済対策を全力で取り組んで頂きたいと考えます。

 篠山市における本交付金活用に対する取り組み方針、計画の現状と今後の展開、並びに市長のお考えをお伺い致します。

 

 

 

 続きまして、教育現場における、国旗・国歌の取り扱いや考え方について、教育長にお伺い致します。

 私が国旗・国歌について一般質問を行いたい旨をお話しますと、同期や先輩議員から、やめた方がいいのではないか、学校現場へ行きにくくなるとのアドバイスを頂きました。

 それほどこの質問は、デリケートな問題であることを十分に認識した上で、質問に入ります。

 議員を努めさせていただき5年、この間、地元の小中学校の入学式、卒業式に案内をいただき、来賓として出席をさせていただきました。

 常に厳粛な式が執り行われ、特に卒業式では、小学校・中学校共に、在校生も含めた生徒全員によるすばらしい式であり、毎年、感動を覚えます。卒業生においても、一生の良き思い出として心に残ることと推察し、校長先生を始め、担任の先生や教職員の皆様に心から敬意を表するものであります。

 しかしながら、長らく疑問に感じてきたことがあり、今回質問事項に取り上げさせていただきました。

 1点目、市内の全市立学校を確認したわけではなく、会場にもよると思いますが、私が行かせていただいた学校では、舞台に国旗・市旗がしっかりと掲揚されておりますが、入学式・卒業式が対面式となっており、一同礼の時も対面のままであり、入学生・卒業生は、国旗・市旗に背を向けたまま礼をしております。

 何の為に国旗・市旗を掲揚するのでしょうか。国旗に対して正しい認識を持たせ、尊重する態度を育てること、そのことの一環として、舞台に国旗・市旗を掲揚するのであって、今のままでは、敬意は感じられず、尊重する態度とも受け止められません。一同礼の時に、入学生・卒業生を舞台に向かせるなど、何らかの改善が必要と考えます。

 2点目は、年度にもより、また最近は少し改善されたように思われますが、一般先生や生徒が、国歌をあまり歌っておりません。

 ひどい年には、来賓の方の声しか耳にしない年もあり、式後に来賓の方より、お叱りを受けたこともあります。

 後日、顔なじみの生徒に問いますと、国歌「君が代」を知らないし、教えてもらったことも無い、との信じられない答が返って来ました。社会人になっている私の子供にも聞いてみても、同じく教えてもらったことが無いとの答でありました。

 学習指導要領によりますと、音楽において国歌「君が代」は、いずれの学年においても指導することとなっておりますが、果たして教育現場において、指導がされているのか疑問に感じる所であります。

 過去に不幸な戦争があったのは事実でありますが、それは国旗や国歌の責任では無く、「日の丸」や「君が代」自身が、軍国主義の象徴になったり、平和主義の象徴になったりするものではありません。国旗を掲げ、国歌を歌う我々日本国民が、軍国主義の象徴ともし、平和主義の象徴ともするのであります。要は、人間がするのです。私は日本の国旗・国歌が、平和の象徴となることを願うものであります。

 国民主権の平和憲法の制定後60数余年、国旗及び国歌に関する法律も、平成11年に制定されました。現在行われているワールドカップ予選においても、多くの日の丸が振られ、試合前には君が代が歌われているように、国民生活全般において広く定着しております。

 しかしながら、長らく国旗・国歌の持つ意義を理解させ、これを尊重する態度を育てると共に、諸外国の国旗と国歌に対しても、同様に尊重する態度を育てる教育をしてこなかったことにより、国際社会においては、自国の国旗・国歌を尊重しないのは日本人だけだと指摘され、また他国の国旗・国歌に対しても、敬意を表さないばかりか、他国の国旗掲揚、国歌吹奏に際してもふざけた態度を取っていると、諸外国から非難される国となってしまいました。このままでは、国際社会からの尊敬を受ける国ではなくなります。

 学習指導要領解説にあるように「日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てると共に、生徒が将来、国際社会において尊敬され、信頼される日本人として成長していく為には、国旗及び国歌に対して正しい認識を持たせ、それらを尊重する態度を育てることに、もっと積極的に取り組むべきと考えます。

 そのことが、国際平和や共生の社会の形成や維持、他人を敬う礼儀、国や社会を守ること、そしてふるさと篠山を愛し、隣人を愛することにも繋がることを確信し、国旗・国歌に対する教育長のお考えをお伺いし、この場での質問を終わります。