補正予算特別委員会 委員長報告
NO,8
2番 森本でございます。
ただいま議題となりました、議案第82号・平成24年度篠山市一般会計補正予算(第5号)から、議案第87号・平成24年度篠山市水道事業会計補正予算(第3号)の6議案についての、補正予算特別委員会の審査について、ご報告申し上げます。
本案につきましては、去る11月27日の本会議において、当委員会に付託されたものであります。
本案につきましては、政策総務、文教厚生、生活経済の各分科会に依頼し、審査を行いました。
委員会では、各分科会座長等からの審査の報告を受け、審議を行いました。審議の過程におきまして、各委員から、創造都市ネットワーク推進事業・児童手当支給事業・学校施設維持管理費・森林境界明確化事業・農業集落排水管理費等について、質疑・意見が出されました。
質疑終了後の議員間協議では、各委員から、
●創造都市ネットワーク推進事業に関し、これまで食文化をテーマに進めていくと認識していたが、6次産業化が困難であることから、工芸と芸術をテーマに、ユネスコ登録を目指すとの説明があったとの報告に関し、登録ありきの動きにも見受けられ、目的と手段が入れ替わってしまっているのではないかと危惧する。市長に対し、今後も6次産業化も含めた「食文化を活かしたまちづくり」推進の方向性を確認しておいた方がよいのではないか。
また
●「わかたけ福祉会」の別館改修工事費の計上に関し、既に工事が始まっている中の補正予算の計上については、議会軽視であるように感じる。金額が確定しなかったことから、今回の補正対応となったとのことであるが、概算での計上方法もあり、適切に対応いただくように、市長への確認質問を行ってはどうか。
●同様に、篠山総合スポーツセンター管理費における日々雇用職員賃金の増額補正についても、6月補正対応が可能であった中、今回の補正計上となっており、問題である。予算計上の問題として、合わせて、確認いただきたい。
との意見が出され、補正予算特別委員会の総意として、市長に対し質問を行いました。なお、質問は、委員長からの一問一答方式で行いました。
1項目目、「創造都市ネットワーク推進事業について」
私が委員会を代表し、
農都を目指す本市においては、これまで「食文化を活かしたまちづくり」を推進していくための手段として、農業の6次産業化をテーマに、ユネスコ登録を目指してきたと理解している。今回の補正予算提案にあたっては、農業の6次産業化は難しいとの判断から、「工芸・芸術」を中心とした登録を目指す方向に、変更することを検討しているとの説明が分科会においてあった。「食文化を活かしたまちづくり」がトーンダウンしてきている。6次産業化を含めた「食文化を活かしたまちづくり」について、今後、どのように進めていくのか、市長の見解を問う。
との質問を行い、
市長からは、
今後も「食文化を活かしたまちづくり」に、力を入れていくことには何ら変わりはない。創造都市の取り組みの中で、既に鶴岡市と新潟市が食文化部門で申請を出されていることもあり、同じ部門で登録申請を出しても難しいことが想定されることから、違うジャンルである「クラフト&フォークアート」という部門を切り口に、申請したほうがよいのではないかという議論をしているだけである。「クラフト&フォークアート」部門への登録申請についても、篠山市の持つ農業を中心とした暮らしや文化、産業といった内容になり、中身については何ら変わることはない。
との回答がありました。
これを受け、
基本に立ち返り、ユネスコ登録を目指す目的及びその意味を再度、示されたい。
との質問を行い、
市長からは、
篠山市のもつ農を中心とした魅力に、さらに磨きをかけて、それを世界にPRしていく。そのことにより、地域の活性化に繋げていくということである。
との回答がありました。
これを受け、
ユネスコ登録を受けたとしても、それを活かして世界の篠山を構築していく予算や人材等を確保していく必要がある。市長の決意を伺いたい。
との質問を行い、
市長より、
創造農村については、単なる農村だけでなく、農村の良さを発揮して活性化に結びつけていくことであると理解しており、篠山市が持つ農業や食を活性化に結びつけていく手段の一つとして、世界の登録を目指す市町と交流を進めることによって、より篠山の良さを発揮していきたいと考えている。篠山の持つ農村の魅力や食の魅力、さらにそれに波及した祭や景観、焼物、重伝建のまちなみ等も含めたPRを行っていきたいと考えている。そのための人材や予算については、今後もできるだけ確保に努めていきたい。
との回答がありました。
また、
「工芸・芸術」(クラフト&フォークアート)を一つの切り口として取り組んでいくとのことであるが、中心となるべき工芸や芸術とはどの分野を指しているのか。
との質問を行い、
担当部署からは、
今、思っていることは、単なる食材だけでは食習慣や食品産業に結びつかない。体系化し、活かして産業化に結びつけることが大切であると考えている。工芸については、篠山市内には丹波焼があるとともに、篠山市の景観計画についても、一つの文化として考えている。本市において、重伝建2箇所が選定されたことも、ユネスコに登録する大きなポイントになると、推進委員会の中で協議いただいており、「クラフト&フォークアート」と、食の二つを結びつけた中で取り組んでいきたいと考えている。合わせて丹波焼や景観等も、創造農村としての大きなツールになるとのことを協議いただいている。
との回答がありました。
これを受け、
創造都市ネットワーク推進事業については、今後の篠山市発展を目指すための、中心となる事業としていくべきものであると考える。そのためには、市民の協力が必要となってくるが、市民への周知・徹底及び協力いただける体制づくり等について、どのような手法を考えているのか。
との質問を行い、
担当部署からは、
昨年からの準備委員会を経て、本年度から篠山創造都市推進委員会を立ち上げた。この委員会には、農協、丹波立杭陶磁器共同組合、商工会、自治会長、森林組合長、飲食業組合等、多くの代表者や実践者に入っていただいており、まずは、そうした方々の多様な切り口を活かした協議により進めていきたいと考えている。合わせて、市民全体への周知については、今年度に創造農村フォーラム等を開催したが、こうしたフォーラムの開催や様々なツール等を使いながら、広めていきたいと考えている。まず、今年度、国庫補助事業の採択を受ける中で、取り組みの方向が定まれば、その方向性等をお知らせしながら、広めていきたい。
との回答がありました。
最後に、
ユネスコ登録を目指すとなれば、行政だけでは無理であり、市民と議会も含め、統一した理解と協力が必要であると考える。しっかりと理解と協力を得られるように努められたい。
との意見を申し上げ、終了しました。
続いて、2項目目「予算計上について」市長に確認質問を行いました。
私から、
今回の補正予算において、障害者福祉一般事務費における「わかたけ福祉会」の別館改修工事費の計上及び、篠山総合スポーツセンター管理費における日々雇用職員賃金の増額補正等、事業進捗中の対応となっている。財政状況も厳しい中、予算執行のルールに基づき、計画的な予算計上を行うべきであると考えるが、市長の見解を問う。
との質問を行い、
市長からは、
お詫びを申し上げるとともに、今後、このようなことがないように厳正に取り組んでいきたい。職員の中に安易な気持ちがあったかも知れず、今回のご指摘を踏まえ、さらに徹底したいと考える。
との回答がありました。
これを受け、
予算については、公のお金であることを肝に銘じ、慎重に取り組んでいただくようにお願いしておく。部長等の管理職によるチェックまた十分な指導をお願いしておく。
との意見を申し上げ、終了しました。
その後、
議案第82号・平成24年度篠山市一般会計補正予算(第5号)から、議案第87号・平成24年度篠山市水道事業会計補正予算(第3号)の6議案について討論を行いましたが、討論はありませんでした。
その後、採決を行いました結果、
議案第82号・平成24年度篠山市一般会計補正予算(第5号)
から、議案第87号・平成24年度篠山市水道事業会計補正予算
(第3号)の6議案については、
(全員賛成)で、原案のとおり可決するものと決定いたしました。
議員各位におかれましては、補正予算特別委員会の決定どおり、ご賛同賜りますようお願いして、審査の報告とさせていただきます。