生活経済常任委員会 委員長報告(所管事務調査・3件)
NO,1
2番 森本富夫でございます。
生活経済常任委員会における閉会中の所管事務調査について、ご報告申し上げます。
(10/22要望審査)
1点目の所管事務調査として、
当委員会では、10月22日(月)に、議長宛に提出されました要望書2件について、議会基本条例に基づき、調査を行いました。
要望書の1件目は、「放射能から命を守る篠山市民の会」から提出されました「篠山市の東日本大震災被害者に対する住宅支援に関する要望書」にかかる調査について、報告します。要望内容については、東日本大震災被害者に対する住宅支援の継続等を求めるものでありました。
担当部署から、本市の取り組みと現状、そして市としての回答内容の説明を受けた後、質疑を行いました。委員からの主な質疑を報告いたします。
委員からの
・市営住宅に入居いただく被災者の家賃免除期間を、受け入れた時点から3年間に延長することについて、どのような生活状態になるまで支援していく等の基準はあるのか。
との質疑に対し
当局からは
・国の応急仮設住宅については、きちんと住居で生活できるまでの期間となっている。今回の大震災に関しては、整備に時間を要することから国においてもその期間を延長されるとともに、同様の措置を各自治体にも求められたこと等を考慮し、今回の対応となった。
との説明があり、
続いて、
・罹災証明書や被災証明書の有無によって、住宅支援の可否を判断するべきではないとされているが、本市で住宅支援を行っている被災者で、証明書が提出されていないケースはあるのか。
との質疑に対し、
当局からは
・4件については、全て提出いただいている。
との説明がありました
続いて、
・市営住宅提供の他の支援策については、どのような状況になっているのか。
との質疑に対し、
当局からは
・本市では、篠山市に避難された方に、生活一時金として、50,000円/世帯、20,000円/人を支給しており、市営住宅に入居された方4世帯を含む7世帯の方、全てに支給している。
との説明がありました。
今回の要望については、市当局も積極的に住宅支援を行うとの回答を行っております。当委員会としましても、遅々として進まない東日本大震災被災者に対する復興事業に憤りを感じる中、震災を風化させず、住宅支援はもちろんのこと、今、私たちに出来ることを考え、末永く支援していくことの必要性を改めて確認したことをお伝えし、要望書に対する調査報告といたします。
続きまして、要望書の2件目は、「篠山市立八上幼稚園・小学校PTA」からから提出されました「通学路の安全対策に対する要望書」にかかる調査について、報告します。要望内容については、通学路となっている市道糯ヶ坪八上線と京町渋谷線との交差点について、危険な状況であることから、スクールゾーンとして交差点近くを目立つ色でカラー舗装を求めることや段差の延長、車両から見やすい大型看板の設置等の実施を求めるものでありました。
担当部署から、現状と回答の方向の説明を受けた後、質疑を行うとともに現地の確認を行いました。委員からの主な質疑を報告いたします。
委員からの
・カラー舗装について、どの程度の距離を予定しているのか。
との質疑に対し
当局からは、
・現状は段差各4本となっているが、路面舗装を明るいオレンジ色とするとともに段差設置距離も倍程度にする方向で検討している。
との説明がありました。
続いて、
・今回の要望以外にも、市内には多くの危険箇所がある。今回は、亀岡の事故を受け、市内の通学路の安全点検の結果を踏まえ、対応されることと認識しているが、今後の対応方針は。
との質疑に対し、
当局からは
・夏休み期間中に県土木事務所、市教育委員会、市地域整備課、市民安全課及び警察交通課で点検を行った結果、対策が必要とされた箇所が97箇所あり、今後、それぞれの部署において対応していくこととなる。今回の対応で万全が図れる訳ではなく、今後とも状況把握に努めるとともに、要望等も踏まえながら対応していきたい。
との説明がありました。
その後、担当課より説明を受けながら現地を確認し、
・県道の抜け道となっており、想定より車両の通行量が多い。
・段差舗装については、色落ちもあり、見えにくい状況となっている。
等の状況を確認するとともに、偶然に出会った子どもと帰宅途中の保護者からも、
・子どもの登下校時に合わすように通行量が増える。危険を感じている
との話も聞くことができました。
今日まで事故がなかったことについては、教育関係者はじめ保護者、地域の皆様の見守りのおかげと感謝いたします。一方で、委員会の質疑にもあったように、同じような危険箇所は、市内に多くあると考えます。子ども、また地域の皆様の安全を守るための対応は重要であり、今定例会に上程されております市内通学路の安全点検に基づく安全対策を、早期に着実に実施されることを求めますとともに、今後においても、定期的に通学路の安全点検を行い、危険箇所への安全対策に取り組まれることを、委員会の総意として申し入れ、要望書に対する調査報告といたします。
(11/14・15視察)
閉会中の所管事務調査報告の2点目について、
11月14日〜15日にかけて実施しました行政視察についてご報告いたします。
当委員会では、「着地型観光の取り組み及び観光人材の育成について」千葉県館山市へ研修を行いました。
館山市は、千葉県の南端、東京都心から100キロメートル圏内の房総半島南端に位置し、人口は49,973人と本市と同程度の規模の市であります。温暖な気候に恵まれた「花のまち」であるとともに、31.5キロの海岸線を持ち、サンゴの北限ともいわれる美しい海中の世界を持つ「海のまち」でもあります。こうした資源や、曲亭馬琴作の「南総里見八犬伝」のロマンが香る史跡を活かした魅力あふれるまちを目指されております。
こうした中、着地型観光の取り組みとして、体験型観光の受け入れ、中でも特に効果の大きい教育旅行にターゲットを絞り、着地型観光・体験型観光の中間支援組織の育成、強化を図る等、受入体制の整備に取り組まれています。また、観光まちづくりの牽引役となる観光人材の育成を図るために、南房総観光カレッジを設置、人材育成カリキュラムを実践されています。
これらの取り組みについて、内容の説明を受け、意見交換を行いました。意見交換においては、担当課である商工観光課は観光プロモーション係、施設管理係、移住定住促進係、商工係の構成で正規職員14名、非常勤職員2名に加え、現場作業等を担う非常勤職員4人の充実した体制で取り組んでいることや同じフロアには、体験交流協会2名、移住・定住に取り組んでいる民間団体1名もおり、これらとも連携しながら取り組んでいることを確認しました。また、修学旅行の営業等は、観光プロモーション係を中心に課を挙げて取り組んでいることや、市のバックアップ体制としても、何事にも挑戦していける空気がある。であるからこそ、責任も感じながら取り組んでいるとの話を伺うことができました。
とりわけ、観光担当課の体制や市のバックアップ体制、中間支援組織の支援等の観光人材の育成等、「人」に力を入れて取り組まれていること、また、東京圏域だけでなく東海方面にまで、誘致活動を行う等、積極的な取り組みが印象に残りました。首長の方針のもと、定住につながる交流人口の増加、また農業・漁業を組み入れた観光による、市全域の活性化に向けた創意・工夫また懸命の努力が感じられる研修となりました。
本市でも、近年、体験型観光や着地型観光に取り組んでいます。宿泊施設を含む宿泊体制の整備の状況等、色々な面での条件の違いはあるものの、阪神圏域及び東海方面から見た立地の良さを活かした取り組みについては、本市においても有効な取り組みとなる可能性を感じるものであります。本市においても、観光客数の多さに満足することなく、着地型観光への取り組み及び観光人材の育成について、さらなる取り組みを求めるとともに、中間支援組織の育成等、今回の視察研修で得た内容を本市の課題や特徴に照らし合わせながら、今後、議論、政策提案を行っていきたいと考えています。
また、館山市とは、学生歌「デカンショ節」を通じた交流を縁に、平成23年11月に災害応援協定を締結しており、金丸市長、福岡議長とこれからの自治体間交流の可能性について、意見交換を行いましたので、合わせて報告します。
意見交換においては、現在、館山市のマラソン大会優勝者等、館山市民の篠山ABCマラソンへの参加を検討、調整中であるとの話等を含め、今後の市民交流等の拡大についての前向きな姿勢を、強く感じました。
非常時における相互支援体制については、日常の交流から強くなると考えており、今後も市民交流を進めていくとともに、今回、築いた議会間交流も含め、互いに良い提案ができるように、取り組んでいきたいと考えます。
なお、金丸市長やデカンショ祭にお越しいただいた福岡議長を始め、非常に好意的に迎えていただいたことに、ここで改めて感謝の意を表したいと思います。
以上で、所管事務調査として実施した行政視察の報告とさせていただきます。
(11/20所管事務調査)
最後に、閉会中の所管事務調査報告の3点目について、
11月20日に所管事務調査「農林振興・篠山市の農業について」として実施しました「農業委員会理事の皆様と意見交換会」について、ご報告いたします。
農業委員会においては、農都篠山の創造に向け、積極的に活動いただいているところであり、委員会としても連携を深めていくため、意見交換を行いました。当日は、田渕会長、井本、土井会長職務代理者等、運営委員の皆様にご出席いただき、農業委員会の概要及び、市長、議長宛に提出された建議書の内容について説明いただき、意見交換を行いました。
意見交換においては、建議されている
「人・農地プランの作成推進の取組状況」、「耕作放棄地対策の取り組み状況」、「農業委員会の体制整備に対する支援」
等に関する意見交換とともに、
「農業委員会で取り組まれている食農教育」や「土づくり」、「新規就農者支援」、「獣害対策」、「特産物開発」等、多岐にわたり、ご意見・ご提言をいただきました。
農業委員会の皆様との意見交換を通して、農業委員会の皆様の、篠山市の農業に対する真摯な思いや願いを感じることができました。本市では、農業を基幹産業として位置づけ、農都宣言を行っていますが、宣言だけに終わってはならず、関係者の連携した体制づくりが必要であると感じているところです。農都創造に向けては、議会も一緒になって取り組んでいきたいと考えており、今後も農業委員会においては、積極的な活動をよろしくお願い申し上げ、調査報告といたします。
以上、執行部におかれましても、所管事務調査の中で行った、また、今後行う指摘や提案等につきましては、充分な検討と対応をいただくよう申し添え、3件の所管事務調査の報告とさせていただきます。